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Kingroon KP3S
機種選定
精密機械である3Dプリンターを外で使ったら良くないのは当然ですが、低価格の機種も増えている昨今、最悪こわれても本来業務に影響が出ないように低価格機を追加購入という線で検討しました。
選定条件は、
- 価格が安いこと
- 動きが見えやすいように、ケースで覆われていないシンプルな構造であること
- 使い方についての情報が多く見つかりそうな人気(ユーザーが多い)機種であること
- 軽くコンパクトで持ち運びしやすいこと(移動は車に積み込んで)
- デモでプリントした品物も見られる対象になるので(できれば)プリント品質が高いこと
Kingroon KP3Sは、各種販売サイトで価格が最安レベルの機種ですが、レビューの評価も割とよかったです。機種の情報を探してみると、その紹介から使い方、改造等様々な活用情報(http://hitoriblog.com/kingroon_kp3s/)を発信している方がいることがわかり、その広くかつ深い内容に感心し、これなら楽しめそうだと思って決めました。
導入してみての感想ですが、
- 出力した造形品の品質が良く、不満なし
- 剛性の高い汎用機械部品をシンプルな構造に組み上げているので、精度が保たれ信頼性がある
- 基本構造がしっかりしていて、パーツの差し替え等の改造の効果が実感しやすく、カスタマイズ向き
といったところで気に入りました。
組立・調整
- 事前に収集した上述のサイトの情報から、1箇所だけ説明書にはない調整を行いました。
- Z軸を動かす長いネジと、ステッピングモーターの動きを伝えるカップリングの固定方法です。
ステッピングモーターの軸と長ネジは軸の中心が必ずしも一致しておらず、直結は部品に無理をかけてしまうので間にカップリングを入れます。
ただしここのカップリングに多少の伸び縮みができる構造のものが使われているために、長ネジが上下にズレる余地が生まれてZ軸の精度が落ちてしまい、造型にも影響が出ます。
使い方
- メーカーからスライサーソフトが提供されており、3DモデルデータからスライサーソフトでGコードを作成し、そのファイルをマイクロSDカードで本体に読み込ませて、本体の液晶パネルで設定や印刷指示を行う流れになります。(USBケーブルでPCと接続しての操作も可能です)
- ビルドプレートの傾き調整やノズルの距離調整等、調整も手作業が多いのですが、構造がシンプルな分、自分がやっている作業の内容がわかりやすく、調整箇所の微妙なところの感じがつかみやすいです。
- このコンパクトな本体なので仕方ないのですが、液晶画面は小さくて(特に屋外では見にくく)操作しやすいとはいえません。
運転・不具合
- フィラメントを別置きにするスタイルなので、リールを置く位置によってはプリント中にフィラメントの巻きが緩んでからまったりすることがありました。
- 動かしてすぐ感じることですが、プリントヘッドに付いている2つのファンがやたらうるさいです。屋外使用の予定なので音だけなら我慢できるのですが、ファンの振動も大きくて、ノズルを触ってみるとプリントへの影響が心配されるほど振動しています。この機種の定番改造とのことですが静音ファンへの交換をしたいところです。
- 最近、決まった位置でフィラメントがエクストルーダー内で切れて、印刷が止まります。フィラメントをセットし直して動かしても、モデルにズレが発生してしまい失敗します。印刷モデルが変わっても、同じ位置(高さ)で発生するので不思議です。スライサー側に問題があってGコードがおかしくなっているのではという気もします(現在未解決)。
カスタマイズ
- 静音ファンへの換装(途上):
- 電源を入れるとずっと回っている冷却ファンの音は、室内ではうんざりするうるささなのですが、屋外では人の注意を引く効果もあるので、イベントではそのまま使っていました。
ただし触ってみるとわかるのですが、うるささ以上に印刷ヘッドまでを盛大に振動させており、造形品質にも少なからず影響しているに違いありません。
まずは、影響が大きそうなノズル用とホットエンド用の2つの冷却ファンを静音ファンに置き換えることにしました。 - 早速換装用の静音ファン(12V)と24Vの本体電源に接続するためのDC/DCコンバーターモジュールと接続用のコネクターを入手しました。
純正ファンの大きさで24Vのものがほとんどないため、代わりに自作PC用にラインアップが豊富な12V静音ファンを使うのが一般的ですが、24Vの電源に12Vファンをつなぐための方法が悩みどころです。 - 2つのファン用電源ですが、一方が24V固定、もう一方がPWMでの可変出力とのことです。固定の方はDC/DCコンバータで12Vに減圧すればよいとして、もう一方のPWM出力をどうするか決めかねているところです。
- 購入したDC/DCコンバータモジュールについては、動作テストをしてみたところ、一瞬でパチンとICが焼損してしまい、やり直しても同じ状態になってその理由がわからなかったので、きちんと確認することが必要と思い保留しています。
(対応したところで記事更新します)。
- KP3Sの冷却ファン交換(2023/5)
- 懸案であったプリントヘッドまわりの冷却ファンを交換しました(記事はこちら)。
やっとストレス無く使えるようになりました。
tools/3dprint/kp3s/index.html.txt · 最終更新: by Staff_Ujiie











