ポリカプラダンでの簡易内窓の制作 (1) 構想~設計

当施設は、周りに高い建物があまりない住宅地に位置した建物の3Fにあります。日当たりも風当たりも良すぎて、夏冬の室温がすぐにエアコンの冷暖房能力を上回ってしまいます。
これを何とかしたいとというのが入居以来の大きな課題で、窓のガラスにひととおり遮熱ネットを貼りましたが、まだまだ足りないと感じていました。とはいえ原状復帰が必要な賃貸物件なので、できることは限られます。
そのような中、部屋の窓にプラダンなどを貼って空気層を作って2重窓化するDIYの話を冷暖房費の節約関連で結構目にするようになってきました。ガラスとプラダンの間の空気層にプラダン内部の空気室もあるので、実際は3重窓に近い構造です。部材の固定に両面テープを使えば簡単にできそうで、実際の作成事例のweb記事もたくさん見つかります。
いくつかの記事を参考にして、まず自宅の物置の窓に実際に作って付けてみたところ、結構きれいにできたので、店舗内の窓にも設置してみました。
当初この作業は防寒対策が主目的で厳冬期に行いましたが、この暑い夏にも外からの熱が入ってくるのを防いで、冷房効率を上げてくれています。
制作記事を書き始めたら、どんどん長くなって収拾がつかなくなってしまったので、構想~設計、部品制作、設置~感想の3部に分けます。
構想
- 見た目のキレイさと丈夫さ・耐久性から、いわゆるプラダン(ポリプロピレン(PP)製)ではなく、ポリカーボネート(PC)のダンボール構造の透明ボード(以下ポリカプラダンまたは単にボードと表示)を使って、既存の窓の室内側に追加して取り付けることにしました。
素材は透明ですが、内部にダンボール状の仕切りが一面に並んでいるので、素通しにはならず、向こう側がうっすらぼやけて見える半透明な感じになります。
- 本格的な2重窓は、中の空気が移動しないようにきっちり密閉するのが理想ですが、簡易窓ではそこまでうまくできないと思います。なるべく隙間が空かないような作りになるようにこころがけます。
- 室内にあるサッシの窓も、全部同じ構造というわけではなく、場所によっていくつか種類があるので、それに合わせて取り付け方も変えます。特に開閉する窓では、内窓の方も開けられるようにしておかないと使い勝手が悪くなって困ります。
- 掃除やメンテナンスで取り外したいときもあると思いますので、容易に外せるような固定方法にします。
窓の確認と採寸
まず最初の作業として、取り付ける窓の構造を確認して、その寸法を測ります。各窓枠はアルミサッシなので、隣同士の窓で大きく寸法が異なるということはないと思いますが、それでも内窓の高さが1mm余分でも入らなくなりますので、内窓を収める窓枠の寸法をできるだけきちんと測ります。
同じ窓枠でも左右両端と真ん中を測りました。測ってみると場所によっては数mmの差が見られました。
- 採寸作業は基本的にレーザー距離計を使って行いました。これは、手が届かない天井までの高さや入り込めないような狭い隙間でも簡単に距離が測れるので重宝しています。測る際には、レーザーの経路が斜めにならないようにポインタの照射位置には気をつけます。
- 窓の高さは、概ね90、160、180cm位の3種類になり、一番多い窓が180cmです。182x91cmのボード1枚から切り出す必要があります。それでも横幅がちょっと足りなくなる窓もあります。
- 計測中、長年使用された建物のためか、天井側のサッシを取付けているネジが緩んで頭が浮いているところを数カ所見つけました。地震?強風?理由はわかりませんが、あとで邪魔にならないように締め直しておきました。
設計
具体的な設置の仕方を考えて、内窓の構造を決め、各材料の加工内容と寸法を決めます。悪天候で飛ばされたら大変な屋外で使う雨戸よりは気が楽ですが、それぞれの窓の種類に合わせて取り付け方法を考えるところと、西面の窓では、窓枠の間隔に対して購入したボードの横幅が少し足りなかったので、その対応をどうするかが悩みどころです。
- ポリカプラダンは室内外(表裏)の温度差で結構たわみます。ダンボール構造の筋目方向と横方向でたわみ具合は異なりますが、どちらの方向でもたわみは出ます。外枠を丈夫なものにしてたわみを抑えるか、1枚のボードの長さを短くして間に枠を入れたりしてやりくりします。
- 引き戸の場合、ボードの側面に取り付けるモールの厚みが、引き戸レールの溝より広くて入らないので、モールのその部分がレールに当たらないように短くしておくか、モールの下端の厚みを薄く加工したりする必要があります。
- 引き戸レールにボードをはめ込む場合は、上レールにボードをいっぱいに押し込んだときに下レールに干渉しない位の長さにしますが、ポリカプラダンは結構板がしなるので、多少長めであっても収めることができます。脱落しないようにギリギリに長めにします。
- 室内で一番大きな面積を占めている窓です。開けることはないので、内窓でふさいでしまえば良いのですが、室内側に大きく張り出したサッシ枠の間の寸法が、ポリカボードの幅よりも少し広く隙間が開いてしまい、このままではボードの固定が困難です。内外の温度差でボードが曲がることを考えると、たわまないようにしっかり固定する必要があります。
- アルミサッシの窓枠の上下には小さな段差があり、寸法がちょうどよかったので、ボードの取付け位置はそこに合わせます。ボードの上下端は段差を利用してサッシに貼り付けたコの字ジョイナーにはめ込んで固定します。
- ボードの横幅が不足することに対しては、サッシ枠の内側の両側面に沿ってL字アングルを貼り付けて、そのアングルにボードをネジ止めする構造にしました。両脇の隙間はこのアングルが埋めてくれます。
高さのある窓なので、片側5箇所でアングルとボードをネジ止めします。
- 2つある片開き窓は換気でよく開けるので、内窓もそれに対応する必要があります。最初は開く窓自体にボードを取り付ける方向で考えていましたが、窓から離して内側のサッシ枠に引き戸レールで取り付けた方が、簡単で見た目も良いので、そちらに変更しました。こうすることで、外窓を開けるときは内窓は隣の窓の位置に退避しておきます。
- サッシの枠の間隔は上述のはめ殺し窓と一緒なので、同じようにボードの幅が不足します。こちらでは、横幅のあるポリカーボネートのジョイナーをボードの両側面に付けることで内窓全体の幅を広くして、サッシ枠との間に隙間が出ないようにしました。
ポリカジョイナーは厚みもあって硬いので、引き戸をスライドさせるときも手をかける場所になって使いやすいです。
- 西面窓から南北両側に回り込んでいる建物の角の狭い窓になります。ここは外に向かってガラス面に店名を表示している窓で、この先照明をつけたいと思っています。
4.南面引き戸窓(4枚)
- 毎日開け締めする窓なので、内窓も頻繁に開けられるようにする必要があり、引き戸にします。内窓を片側に全部寄せることもできるように2枚用の引き戸レール(上下)を、位置を揃えて2本つなげて設置します。
5.北面流し引き戸窓(2枚)
- 流しの2枚の引き戸です。面積は他の窓の半分ほどなので、一番作りやすそうです。南面窓と同様に2枚の引き戸にしますので、上下の引き戸レールを設置して枠も付けます。
- この窓だけポリカプラダンの段の向きを水平方向にしました。ブラインドの羽なども水平なので、個人的にはそちらのほうがいいと思っていますが、他の窓は材料の寸法の制約から、縦の向きしか選べません。
制作
材料
主な材料は、ポリカプラダン、窓枠用のプラスチック(PVC/PC)モール、枠の取付け用の両面テープ、ボードの端をふさぐアルミテープ、ネジ止め用の金具とネジになります。
- ポリカプラダン:
アクリサンデーのハモニカーボ(ポリカーボネート中空構造板)1820x910mmx4mm- アクリサンデーは、ホームセンターで置いているアクリル板のメーカーとしてよく目にしますが、この商品は価格の安さとUVカット対応から選びました。もともと屋外使用を前提にしている製品なので、長持ちするでしょう。素材としてポリカーボネートはしなりやすいイメージがあるので、厚めの4mm厚にしました。
- 窓枠用の樹脂モール(硬質PVC/ポリカーボネート):
光モールから様々な形の樹脂モールが発売されているのでこれを利用します。断熱目的なので、樹脂製のものにします。
- ジョイナー コ4型:
それだけだと頼りないボードの両側面に付けて窓枠として使います。塩ビ製でそれほど硬くもないので、これを付けてもたわみを解消するところまではいきませんが、枠が合ったほうが見た目も使い勝手もよくなります。

- ジョイント用ポリカジョイナー エ型:
この部品はもともと2枚のボードをつないで1枚にするための接続部品ですが、今回は、ボードの両側に枠として取り付けて使います。材質も透明のポリカーボネート製なので、取り付け後はボードとの一体感が出ます。がっしりした構造なので、こちらはボードのたわみも抑えてくれます。
(ちなみにこの製品は、光モールとは別会社の光の製品です。)

- ガラス戸レール 5上/5下:
開閉する引き戸に使う上下の専用枠です。2面の引き戸用なのでレールが2本並んでいます。4mm厚のボードそのままだと枠の溝幅に対してかなりゆるいですが、上記のコ4型ジョイナーを枠としてはめた状態だと、溝に収まりません。そのため、各ボードの側面にジョイナー類を付ける場合も、レールには当たらないようにボードより長さを短くします。
今回ポリカジョイナーの取付けでは少し凝って、長さをボードと同じにした上で、4mm超の幅の箇所を一部切断してレールに収まる幅に加工しました。

- L字アングル(1辺20mm):
はめ殺し窓へボードを取り付けるときの窓枠側の部品として、サッシに両面テープで固定しておいて、そこにボードをネジ止めして固定します。ネジを外せば簡単にボードを取り外すことができるようにします。

- 両面テープ:
すべてのモール類は後に外せるように両面テープを使って固定します。最近増えてきた強力すぎる両面テープは、後ではがせるのか心配なので避けます。
- 日々暑さ寒さにさらされる所で使うため、重要なのは、耐熱性能と耐久性、耐候性といったところでしょうか。
- いろいろ市販されている中で選んだのは、寺岡製作所の一般強力型の両面テープ No.777です。貼り付けるモールの幅に合わせて幅15mmと幅20mmを使いました。粘着力はかなり強く、位置合わせしている時に部材がどこかにくっついてしまったりすると、そこから位置をずらすことはできなくなり、剥がしてテープを貼り直すしかなくなります。
- アルミテープ:
- 寺岡製作所のアルミ箔粘着テープ(つや消し) No.835 幅15mm 20mにしました。車のアルミテープチューンによく使われるためか、通販サイトでアルミテープで検索すると導電性の粘着剤を使った製品がまず上がってきますが、今回の用途では値段の高い導電対応品は不要です。安い普通の製品(紙管の裏が赤、ちなみに導電対応品は緑)で十分です。

- ボードの端に貼ったアルミがレールからはみ出して見えるのも、あまりいいものではないので、貼った後に折り込んだ端が5mm程度になるように幅の狭いテープです。
- この製品は、アルミの厚みが意外とあって、曲げるときも硬めで、アルミ箔というより極薄アルミ板といった感じです。貼付け中に大きなシワを作ってしまうと修正が結構厄介です。そんな時は無理に剥がそうとせずに、シワごと押しつぶして平らにならしてしまったほうがキレイにできます。
- ネジ止め用の金具(スピードナット)とネジ:
- ボードの取り付けが室内側からしかできないので、どうするか悩みましたが、自動車の樹脂部品の取付けによく使われているスピードナットという部品が使えそうです。これは、ネジが切られた板バネのような金属部品で、あらかじめ窓枠のL字アングルにはめ込んでおいて、ボードを当ててタッピングビスで室内側からネジ止めします。(オチアイ /ねじ式スピードナット ワイドレンジ形(鉄/ACP) WUSN-4044)
- このスピードナット、結構特殊な部品のようで、切られているネジ山の規格が、ラインアップの多くがインチネジ用だったりして、ちゃんと合うネジが入手できるのかどうかよくわかりません。最初買ってみて合わなかったネジもあり、無駄が出てしまいました。
この金具に合わせるネジは、トラスタッピングねじのφ4.0mmで合いました(大阪魂(モノタロウ) /(+)トラスタッピンねじ 2種溝なしB-0形 (ステンレス/ブラック) 4x16)。

次は制作作業編です。












