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コンテンツマップ2024/10/11 13:52 
tools:laser:podea0corsa

Podea Zero Corsa

(ポデア・ゼロ・コルサ)

特徴

  • CO2レーザー加工機(高安定で連続運転可能な金属発振管、最大出力40W、国産機)
  • 加工範囲が広くて高さも取れるので、大きな材料も加工できます。
  • 欠点は、この機種に関しての情報が少ないことです。代わりに一般的なレーザー加工についての話や他のCO2レーザー機の情報を参考に使うことになりますが、この機械固有の使いこなしやトラブル情報等はほとんど見あたりません。

正面 裏側 発振管の空冷ファン(結構うるさいです) 加工部分 レーザーヘッド

仕様と加工条件

  • 加工速度、例(A4 彫刻)
    • 彫刻は、加工範囲の全面を極々短い間隔で走査していくので、とにかく時間がかかります。
      使う上で加工時間の目安があると良いと思いますので、サンプル加工の時間を測ってみました。範囲が同じであれば図の複雑さは加工速度に影響しないはずですので、かかる時間も同じ位と考えていいと思います。以下、A4版の紙に彫刻加工(文字と全面にボロノイパターン)。
      (左):A4横、出力7%、速度30mm/s、解像度 2、繰り返し1 ⇒ 加工時間1H 31min
      (中):A4横、出力7%、速度30mm/s、解像度10、繰り返し1 ⇒ 加工時間 19min
      (右):A4縦、出力7%、速度30mm/s、解像度 2、繰り返し1 ⇒ 加工時間1H 42min
      A4横 A4横:解像度10(最粗) A4縦
  • 解像度の値が走査する間隔を決めるので、そこで加工時間を大きく調整できます。ただしその分画質が粗くなるので、どこまでなら許容できるかを判断します。解像度(1~10)の2(標準)と10でこれぐらい変わります。さらに縦横を変えることでも走査本数が変わるので若干加工時間は変わってきます。
    解像度2 解像度10
  • 繰り返しの回数を2回、3回と増やすと、加工時間も2倍、3倍に増えます。


加工例


設置

  • 高さは40cmPodea Zero Corsaの場合、丈夫な金属製のキャビネット内でX軸のアームと小さなレーザーヘッドが行き来するくらいなので、加工時に振動はしないものの、本体重量が80kg程あるので、それを支えることが設置する場所には求められます。底面の縦横がちょうど本体サイズの低い木製テーブルを見つけて設置台として使っています。


  • 左上と右下の黒い箱です木質材料の場合とそれ以外の材料とで、排煙ブロワーと集塵脱臭機をつなぎ替えるようにしています。




  • アクリル板を切り出して作られたヘッド距離調整治具を材料セットの時に使いますが、小さくてすぐに無くしてしまいそうなので、専用のケースを3Dプリントで作って、本体上面に両面テープで貼り付けて使っています。

作ったケース 3Dモデル フォーカスツール







  • 夏場にレーザー発振管(金属・空冷)を冷却するために、スポットクーラーを導入しました(2022/8記事)。室温が30℃を超えるときでも発振管温度を25℃位に抑えてくれるようになりました。




  • さらに、冬の寒い時期には、導入済みのスポットクーラーの排熱側を利用して、レーザー発振管を温める運用を始めました(2023/01/30記事)。室温が上がるのを待っている時間が短縮できて、これで夏冬万全の体制です。




使い方

  • 本機での加工の手順、操作説明の流れを動画にまとめています。
    加工機の制御ソフトにPodea WebUIを導入したので、それに合わせて動画も作り直し、従来のPodeaソフトを使った動画は旧版と表示しています。

  (基本操作)


過去のトラブル

使っていて、理由がわからないトラブルが出ることもありますが、理由がわかったトラブルややりがちなミスを書いておきます。

  • 彫刻の横ズレ
    • 症状:広い面積の彫刻加工を行っていた際に、途中から加工の位置が大きくズレてしまいました。
    • 原因:メーカーに問い合わせて、加工速度の設定が早かったためにズレてしまったのであろうということでした。設定していた加工速度は、制御ソフト上45mm/sが上限になっていたので40mm/sに設定したのでしたが、ソフトを最新バージョンに入れ替えてみると35mm/s上限になっていました。
    • 対応:今後は上限30mm/sで使用することにしました。
  • 加工データ作成時エラー
    • 症状:制御ソフトの加工データ作成時にエラーメッセージが出て、どうしても先に進めないことがありました。
    • 原因:Inkscapeで作成したデータのレイヤーの名称に、半角英数以外の文字が含まれていてデータの読み込みに不具合が発生したようです。Illustrator(CC2020)でプラグインで直接加工リストを開いた場合は、レイヤー名が指定のものに置き換わるためこの問題が出ませんでした。
    • 対応:レイヤー名に使う文字は半角英数にするよう注意です。
  • 加工用元データの不備
    • 症状1:切断加工時に、部分的に加工されていないところが発生。
    • 原因1:よく見ると、制御ソフト上の表示でも抜けていました。InkscapeでPodea用のPPZP形式に変換する際に、ページの縁に重なっていた線が欠落したようです。ページの領域を画像の大きさに合わせるのは普通のことなので、そこだけ欠落してしまったのはよくわかりませんが。
    • 対応1:制御ソフトに取り込まれたデータも、おかしなところがないか一度目を通しておくようにします。
    • 症状2:制御ソフト上で、取り込んだ取り込んだ図案を好きな位置に移動できない。
    • 原因2:Inkscapeで、ページが大きいままで加工データを作成した。図案自体は小さくとも、ページ全部を取り込むので、ページとして加工領域600✕300mmを超えるような移動は行えない。
    • 対応2:Inkscapeのデータ作成時に必ずページサイズを図案の大きさまで縮めておく。
  • 運転中途中停止
    • 症状:加工途中で止まってしまう
    • 原因:データをチェックしたところ、Inkscapeで元のデータ作成時にオブジェクトのパス化を行っていなかった箇所があった。
    • 対応:データを全部パス化して作り直して再処理。途中停止は他の原因で起きる場合もあると思いますが、作成データの不備の場合が多かったです(データのどこが不備だったのか探すのが大変ですが)。
  • USB接続時のエラー
    • 症状:加工前、USBケーブルで本体とPC(Windows10)を接続した時点で、USB機器に問題あり等のエラーメッセージが出ることが(けっこう)あります。
    • 原因:異常終了の後など、本体側の状態に問題があって、PCと正常なやり取りが出来ていないと思われます。
    • 対応:USBケーブルを外し、一旦本体のAC電源との接続を切って、少し待ってから電源をつないでやります。その後USBケーブルをPCに挿して状態を確認します。制御ソフトを立ち上げて、本体の温度情報等が表示されていれば問題ありません。本体の電源ケーブルを都度抜き差しするのは面倒なので、スイッチ付きのコンセントで配線しています。


tools/laser/podea0corsa.txt · 最終更新: 2023/12/15 12:03 by Staff_Ujiie