窓が占める範囲の大きな当施設では、冬の寒い午前中などは熱は逃げていく一方で、室温をCO2レーザー加工機(Podea Zero Corsa)の加工運転温度下限の20℃まで上げるのには結構時間がかかります。さらにエアコンで室温が上がってきたとしても、冷えきった金属製のレーザー発振器の温度が上がってくれるのはもっと後になり、じれったくてたまりません。
この冬は、以前夏場の冷却用に導入したスポットクーラーをレーザー加工機の加温にも活用するようにして、プレヒートの時間短縮を図りました。
ただでさえ夏暑い福島盆地で西日にさらされる施設内で、なんとかレーザー加工機を20℃台で運転するためにスポットクーラーを導入し、冷却された空気をレーザー発振管の空冷の吸気口に送り込んで温度を下げるやり方で夏場はしのいでいます。
このスポットクーラーは、室温マイナス5℃程度の冷却をする機械ですが、室内の空気を本体に吸い込んで、冷却ダクトから冷風を、排熱ダクトから温風を出す構造になっています(排熱側の温風をダクトで室外に出して冷房に使います)。室温をプラスとマイナスに分ける機械ともいえます。
フィルター越しに本体に取り込んだ室内の空気を温度で分けているだけなので、排熱側の空気も特に汚いわけではなく、冬にはこの温風を暖房にも使えるのではないかと当時思っていました。コンプレッサーから出る熱も加わって、冷却能力よりも暖房能力の方が高いかもしれません。
今回は室内エアコンに追加して加温するために、この排熱側を利用してみます。