6/25に仙台市で開催された仙台マイクロメイカーフェア(Sendai Micro Maker Faire 2022)に出展してきました。東北エリアを中心にしたイベントで今回2回目の開催になります。
展示の内容はHPでの投稿記事にしましたが、ここではその展示物の準備を制作側の立場からまとめておきます。
これまでにペグボードに差し込んで自由に作れる機構模型の各種パーツを作ってきましたが、今回は展示用に小型のパネル上に作ったものを用意します。
手に乗るくらいの小さなサイズのからくりおもちゃ(オートマタ)を想定して、現物がまだない状態から出展の目玉に挙げてしまったのですが、実際に始めてみたら、アイディア構想、設計、試作、製造と一連の作業がかなり大変だというのを実感しました。
一点ものではなく、再生産可能なものとして作るので、各プロセスできちんとしたデータをアウトプットしないといけません。
今回展示した自転車を漕ぐ人物は、透明アクリル板をレーザーで切り出して、各パーツを3Dプリントのジョイント部品でつないで、動く立体にしています。
選んだのは、人が自転車を漕ぐモデルです。
基本は自転車のペダルのクランク軸の回転を足の曲げ伸ばしに変えてやる単純な動きです。ポイントは、足の曲げ伸ばしに合わせて体を上下にゆするところです。
この胴体部分は余計なリンクになっているので本来不要なところで、そのためにきちんと動作しなくなる可能性がありますが、設計時のシミュレーションを見ていて、動きに味が出ると思い残しました。
実物を動かしてみると、予想より体の位置が下がってしまい、想定通りとは行きませんでしたが、体の上下動はかろうじて残って動きを複雑なものにしてくれました。
設計データのアニメーション
開催延期に伴い追加した自動運転の仕組みですが、結構大変でした。
もともと常設展示スペースでの展示用として準備を進めていたので、ゼロからの出発ではなかったのですが、先に進むにつれて、やることがどんどん増えていき、自動運転のプログラムができたのは当日の朝になってからでした。
ベースとするハードウェアはUniPi1.1、ソフトウェアはOpenPLCということで別途進めていたものですが、今回の展示に使用するために以下の内容を追加します。
ラダー図による自動運転のプログラムをどう作成すればよいかがわからず、最後まで苦労しました。内部リレーによる自己保持ロジックに囚われすぎてわからなくなっていたのを、最終的に使わないことにしたらうまく動きました。
(かんたん機構)
(てのりからくり)
間に合わないのではと追い詰められ続けた準備作業でしたが、おおむね展示もうまくいき、来場者の方の反応もよかったので救われた感じでした。
せっかく作った展示物なので、後日改めて動いている動画をきれいに撮影して公開しました。
今回主役の座を奪われたからくりおもちゃの制作を進展させることと、機構模型を常設展示スペースでの自動運転展示に移行させることを当面進めてゆきます。