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コンテンツマップ2024/02/17 10:21 
tools:cutting_plotter:mat_life_extension

カッティングマシン用マットの長寿命化対策


紙やカッティングシートをきれいに切ってくれるブラザーのスキャンカットDXですが、切る材料を貼りつけて使うカッティングマットを何回か使うと、粘着力が弱くなってくっつかなくなってきます(たとえ強粘着マットでも)。メーカー指示では、粘着力が弱くなったら新しいものと交換ということですが、そう安い消耗品でもないので困ります。

同じことを感じているユーザーもいて、延命策を工夫しながら使っていたりします。

  • 延命策の一つは、弱くなった粘着面を再生するために、スプレーのりを吹くという方法です。使うのりの強さがポイントで、材料を貼って剥がしてがうまくできるぐらいの仮止め用ののりを使う必要があります。
  • また、このマットは材料を固定する一方で、鋭い刃の下敷きにもなっているので、使っているうちに切れて弱ってきます。

今回は、そのやり方を使わせてもらって、純正マットに重ねて貼る補助シートを作って使ってみます。

構想

  • 純正マットに、粘着剤が全面に付いた補助シートを貼り付けておいて、通常のマットと同様に材料を貼って使います。使っていて補助シートの粘着面が弱くなったらスプレーのりで再生できますし、刃で切れて傷んできたら剥がして別の補助シートを貼れば新品同様に戻ります。今回のクリアホルダーは1部200円ちょっとなので、コストダウン効果は計り知れません(A4の製品を使えば更に大幅なコストダウンになりますが)。
  • オリジナルの使い方では、クリアホルダーのシートの両面にスプレーのりを吹いて使うようになっていますが、両面にのりをスプレーする作業や、両面にのりの付いたシートの取り扱いが大変なので、純正マットと補助シート双方の片面にスプレーして貼り付けることにしました。
    そのために、純正マットの粘着面だけにスプレーできるように型紙のシートも作ります。
  • 補助シートは、A3のクリアホルダーから2面取れます。ただし、1枚は寸法上切り欠き部分を避けることが出来ないので、その穴をふさいで使うための別パーツも切り出して使います。
  • 型紙シートは、純正マットを全部覆って粘着面の部分だけを切り抜いておいて、上からスプレーのりを吹きます。ちょうど今回購入したPP板は純正マットより大きなサイズだったので問題ありません。
    さらに、型紙シートと純正マットはマスキングテープで固定することにして、固定に使う穴をまわりにいくつか開けておきます。
  • スキャンカットDXは、切る前に材料の厚さを自動でチェックし、カット用の刃が自動調整されるようになっています。そのためマットの上に何か貼ると、それも切る対象とみなされて切られてしまいますので、上に貼った補助シートも一緒に切り抜かれてしまいます。
    今回の手法を編み出した先達の知恵で、粘着面より上側のマットの厚みチェックが行われる部分を同じクリアシートで覆ってしまえば、自動調整機構はそのままで使えるとのことでした。それに従い、マット上部のエリアにも同じシートを貼ることにします。
    最初この事を忘れていて、粘着面ぴったりのサイズにシートを切断してしまっていたので、追加で上部貼り付け用の分だけ別に切り出しました。実はこの部分は粘着面とは逆で、表面をべたべたにできないので、別シートにした方が作業しやすいのですが、そうすると今度は継ぎ目から剥がれやすくなってトラブルを引き起こす可能性も考えられます。このあたり、使ってみて様子を見ることにします。


材料

  • 透明樹脂板:1辺305mmの正方形をした粘着面を1枚でカバーするには、A3以上の大きさが必要です。A4の場合はファイルホルダーを折り目から開いて使えば面積をカバーできますが、折りぐせが残ると平らにならず、刃が引っかかることもあるかもしれません。A3のファイルホルダーであれば理想的です。
    また、本体の位置合わせスキャンを邪魔しないために、透明である必要があります。以下2つを候補にして購入しました。

    • コクヨ クリヤーホルダー スーパークリヤー10 PP A3
      数少ないA3のクリアホルダーサイズA3 材質表紙/R-PP 幅(mm)307 高さ(mm)430 厚さ(μm)200 背幅(mm)1 表紙/R-PP
      書類挟みなので、2辺が綴じてあります。書類が出しやすいように1枚には切り欠きもあります。透明度の高い素材が使われていてきれいです。厚みは0.2mmで、ちょっと薄めにも感じますが、その辺は使ってみての判断でしょう。
      幅が一緒で長さは大分長いですこのホルダー、大きさが絶妙で、貼り付け先の粘着面の幅とほぼ一緒です。




    • アーテック PP板
      透明度はちょっと落ちます厚さ(mm)0.5 幅(mm)360 長さ(mm)480 材質ポリプロピレン(PP) サイズ 大
      こちらはファイルホルダーではなく、樹脂シートです。厚さが0.5mmと厚めで、買ってみたら、純正カッティングマットよりも厚いことがわかり、補助シートとしてではなく、スプレーのりを粘着面に吹くときに余計なところにのりが付着するのを防ぐ型紙に使うことにしました。樹脂製なので、ベタベタになったら不要なのりを落として長く使えそうです。
  • スプレーのり:3Mスプレーのり55(カラー)
    大きい缶の方がお得ですがデザイン業務などの仮止め用によく使われる粘着剤のスプレーです。粘着力の違いで何種類もあるので、用途にあったものを選べます。
    スプレーした箇所がはっきり分かり、乾くと透明になるという色付き版を買ってみましたが、今回はあまり意味ありませんでした。


工具

  • カッターナイフには、壁紙貼り等に使われる薄手で切れ味の良い黒刃を使いました。あとは切断のガイドに金尺、テーブル保護用にA3のカッターマットです。
  • スプレーのりは、粘着剤の霧を撒き散らすことになりやっかいなので、室内ではやりたくありません。流しに大きな紙を敷いて、換気扇を回しながらその上でスプレーしました。


制作

1)切り出し

  • 力は要りませんクリアホルダーは薄いので、カッターナイフを何回か当てていればすぐに切れます。これではカッティングマシンの刃もすぐに貫通してしまいそうです。



  • 力がいる時は怪我しやすいです一方型紙用のPP板は厚いので時間がかかります。刃の逃げ場がないのですいすいとは切れず、切り進むと抵抗が大きくなってきます。ズレる原因にもなるので、残したい部分側を金尺で押さえてカッターを進めます。


  • 三角に切断します 切り欠き部分にもう一枚合わせてクリアホルダーの片方の切り欠き部分には、切れ端を重ねておいて、2枚一緒に切ってはめ込む形を一致させます。元の円弧状の穴はカッターで切りにくいので、三角形に変えます。

  • 穴にテープを貼って固定します 四隅+αです型紙シートの位置合わせ用には、粘着面のまわりに△穴を5箇所開けました。その穴にマスキングテープを貼って下のマットとくっつける仕組みです。この穴にスプレーのりは入り込んでほしくないので、マスキングテープの幅よりも細い三角穴にしました。
  • 追加作業になりました純正マット上端をカバーする部分も切り出します。縦は4cm弱で、横幅は粘着面と同じ30.5cmです。



2)のり付け

  • 今回の作業で一番のポイントがのり付け工程です。切り出しや貼り合わせが多少ズレたところで、ちょっとカッコ悪いぐらいでそう大きな問題ではありませんが、粘着度がだめだとシート全体が使い物にならなくなります。
  • のりの粘着度合いは、触ってもべたべたくっつかず、上に乗せたものに圧がかかるとぴったり固定し、剥がすときには、剥がれにくくて材料が曲がってしまったり、粘着剤が材料に付着して残ったりしない位を目指します。
  • 本番に入る前に、前項で切ったシートの切れはしにのりをスプレーしてみて、粘着度の感じをつかみます。
    さらに、今後を考えて一旦スプレーしたのりを除去する実験もしてみました。
    右がIPA、左がシールはがし:取れない。
    石鹸:取れない。
    アルコールジェル(手指除菌用):取れない。
    IPA(イソプロピルアルコール100%):きれいに取れた。
    シールはがし(リモネン他):取れたものの、シールはがし剤自体がシート上に残り、そちらがなかなか取れない。
    結果、IPAで拭き取るのが一番きれいに除去できるようです。
  • のりの感触がつかめたところで、切り出した補助シートの片面と、純正マットの粘着面部分にスプレーします。
    純正マットは新品ならそのままで貼り付けに使えますが、結構使って粘着が弱くなったマットなので、スプレーのりで粘着面を復活させて、そこに補助シートを貼ります。粘着面に別製品のスプレーのりを付けることによる不具合は今のところわかりません。粘着面を全部剥がしてからスプレーのりを付ける方が良いのかもしれませんが面倒なので。
  • ムラが出ないように、やや距離を取って、同じ向きに、シートのサイズより大きめにスプレー缶を動かして面を吹きます。縦方向横方向に1回ずつ重ねます。
  • このぐらいの量のスプレーだと、表面が隙間なくのりで覆われた状態にはならず、全体に細かく粉が散ったようなのり付きになります。色付きのスプレーを使いましたが、着色剤の色はほとんどわかりません。のりの状態はこのくらいで概ねよさそうなので、それ以上は付けません。付け過ぎると後が大変なので、やめどきが肝心です。
  • 純正マット上端をカバーする方のシートののり付けの方は、剥がれないように多めにスプレーします。貼り付ける先のマットの上端部分はもともとツルツルの場所なので、最初からくっつく粘着面とは条件が異なります。
    一方、マット上に印刷された位置合わせマークは本体が読み取るので、のりのために見えなくならないようにも注意します。
  • スプレー後はしばらく乾かして揮発成分を飛ばします。


3)貼り合わせ

  • 見えにくいですね純正マットの粘着面の上に、のり付け面を上にして補助シートを貼り付けます。位置合わせがきちんとできたら、その上に純正マット付属の透明保護シートを乗せて、その上から手で圧をかけて定着させます。マット上端部分の追加カバーは、のり付けした面を下にして位置合わせをし、同様に貼り付けます。

  • 手でなでているとちょっとした凹凸もよくわかります。実際膨らんだ場所があちこちにあり、よく見ると以前に使ったときの紙の切り屑の微細なかけらが挟まっていました。その場所まで補助シートを端から剥がしてゴミを取り除きます。一部剥がすだけならばシートの位置はズレないので、それほど手間はかかりません。貼る前にくまなくチェックしておくべきではありますが。
  • 貼り付けが終わると、追加したシートは見えなくなり、貼っていないのと一見区別がつきません。紛らわしいので、貼ってあることがわかるように端に表示のシールを付けておきました。


チェック

  • これで購入当初ぐらいの粘着度合いのカッティングマットに戻りました。実際のカットをしてみて確認します。
  • カッテイングチェック
    • 確認用に、色画用紙(0.2mm厚)を加工したマットに貼り付けて、スペードの模様をカットしてみました。刃の自動調整機能はそのままで、特に補正等はなしです。
    • 0.2mm厚の画用紙です画用紙はきれいにカットされています。いつもと同じで、特に変わったところはありません。





    • シート表面も切れています紙を取り除いて、下に貼った補助シートの状況を確認すると、その表面にはくっきりと切断線が刻まれています。




    • 刃は裏までは貫通していませんさらに補助シートを剥がして、裏面とマットの粘着面を見てみましたが、刃が貫通した様子はみられませんでした。補助シートがうまく機能しているようです。



  • いままで通りの使い勝手のままで使っていけそうで、これで粘着の落ちてきたマットをだましだまし使う必要はなくなりました。後は時間をかけて使っていく中で問題が出てくるかどうかです。


tools/cutting_plotter/mat_life_extension.txt · 最終更新: 2023/03/20 17:03 by Staff_Ujiie