機種としてはかなり前の、3Dプリンターが高価だった時期の製品になりますが、構造や使ってあるパーツの品質は高く、きれいに造形できます。ただし制御基板が古く印刷速度は遅いです。
元々台湾のLayerOne社のATOMという機種なのですが、日本国内ではATOMという名前が既に使われていたために、Maestroという名前をつけて販売されています。日本以外ではATOMとして知られています。
後継機のATOM 3/3.5が台湾では昨年から発売されはじめましたが、日本国内版が販売されるのかはわかりません。
三角柱の真ん中に印刷ヘッドが吊り下がった形のデルタ型です。印刷ヘッドは3本の支柱と2本ずつのカーボンロッドでつながっていて(磁石付きのボールジョイントで!)、水平を保ちながら自在に動きます。
印刷ヘッドはホットエンド(ノズルはチタン)と極小ファンとフィラメントガイドの最小構成で、エクストルーダーを2つ本体上方に取り付けたボーデン式になっています。
1ノズル2エクストルーダーの構成で2色成形もできるというのが売りでしたが、ノズルが1つしかないと切り替えの時間も材料も無駄が多いので、実際にはシングルでのみ使っています。
最近よく聞くBambu LABのマルチカラー3Dプリンターも、ノズル1つで複数フィラメントを切り替える同様の方式なので、色の切り替え時の捨て材料が沢山発生してしまいます。
※1.次バージョンのATOM3.5では2つのノズルを搭載して、独特の回転ギミックで切り替えながら2色印刷することができるようです。
※2.3Dプリントヘッドからワンタッチで換装できるレーザー彫刻ヘッドもオプションとして設定されていました(買いませんでしたが)。
完成品ではなくキットで購入(2016年)したものの、設置する場所が取れずにずっと未完成でした。施設をオープンしたのに合わせて、2020年のGW期間中にキット組立のライブ動画配信を経て完成させました(半日ずつ5日間に渡るLIVE動画です。流しっぱなしにしておいて時々進み具合を覗きに行くという見方をすると、終わり頃には何かしら達成感を感じていただけるかと思います)。