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activities:products:display_frame [2022/01/15 13:19]
Staff_Ujiie [設置]
activities:products:display_frame [2022/01/15 13:48] (現在)
Staff_Ujiie [Fusion360でデザイン]
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 ===== 構想 ===== ===== 構想 =====
-  * 立体地形図模型がぴったり収まるサイズで、数センチの高さ取れ、簡単に組み立てができるような専用台(枠)にします。模型の寸法に合わせて側面部品の長さを変更し、各種サイズに対応します。+  * 立体地形図模型がぴったり収まるサイズで、数センチ下駄履かせ、簡単に組み立てができるような専用台(枠)にします。模型の寸法に合わせて側面部品の長さを変更し、各種サイズに対応します。
  
   * 展示台の材質は、地形図模型に使っているプラスチック(PLA)とは異なるもので高級感が期待できる方が望ましいでしょう。手持ちのアクリル板を切り出して作ることにします。透明よりは有色の方が向いていると思います。   * 展示台の材質は、地形図模型に使っているプラスチック(PLA)とは異なるもので高級感が期待できる方が望ましいでしょう。手持ちのアクリル板を切り出して作ることにします。透明よりは有色の方が向いていると思います。
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   * アクリル板をレーザーカットして作るので、普通はベクター画像編集ソフト(Inkscape, Illustrator等)で部品をデザインしますが、今回は訳あってFusion360を使います。\\ Fusion360の製造メニューはレーザー切断もカバーしているのですが、当施設のレーザー加工機のPodeaがそれに対応しているわけではありません。いずれにせよベクター画像編集ソフトを経由してレーザー加工用データを作ってやる必要は残ります。   * アクリル板をレーザーカットして作るので、普通はベクター画像編集ソフト(Inkscape, Illustrator等)で部品をデザインしますが、今回は訳あってFusion360を使います。\\ Fusion360の製造メニューはレーザー切断もカバーしているのですが、当施設のレーザー加工機のPodeaがそれに対応しているわけではありません。いずれにせよベクター画像編集ソフトを経由してレーザー加工用データを作ってやる必要は残ります。
  
-  * Fusion360を使うのは、寸法をきちんと合わせた複数部品のデザインがしやすいことと、実際の部品のはめ合い具合をみて、レーザーカットで発生する切断線の切りしろ分、寸法を微妙に調整する必要があるためです。\\ {{ :activities:products:sc2022-01-15_11.05.11r_w000.png?direct&200|面をオフセット}}そのために、「ソリッド/修正/面をオフセット」を使って部品同士が接する部分の寸法を微調整します。共通の調整値を多くの部分に一括で適用することができ、さらに元デザインをいじることなく別の所で調整できるので、切断の条件が変わった時にも容易に対応できます。\\ 履歴から一連の作業中の必要な部分のみを簡単に変更でき、それが全体に反映してくれる基本機能があってこそ実現できる便利さです。+  * Fusion360を使うのは、寸法をきちんと合わせた複数部品のデザインがしやすいことと、実際の部品のはめ合い具合をみて、レーザーカットで発生する切断線の切りしろ分、寸法を微妙に調整する必要があるためです(硬い樹脂なので、微妙な寸法の違いで、入らなくなったりゆるゆるになったりします)。\\ {{ :activities:products:sc2022-01-15_11.05.11r_w000.png?direct&200|面をオフセット}}そのために、「ソリッド/修正/面をオフセット」を使って部品同士が接する部分の寸法を微調整します。共通の調整値を多くの部分に一括で適用することができ、さらに元デザインをいじることなく別の所で調整できるので、切断の条件が変わった時にも容易に対応できます。\\ 履歴から一連の作業中の必要な部分のみを簡単に変更でき、それが全体に反映してくれる基本機能があってこそ実現できる便利さです。
  
-  * とはいうものの、実はFusion360をレーザーカットのデザイン作成に使うには大きな問題があります。Fusion360でデザインしたものをベクターデザインソフトに渡すためのSVG形式での画像の出力が元々サポートされていません。3Dモデルの作成ソフトなので、そこから2Dデザインを出力する想定がなかったのでしょう。\\ 最初、図面作成機能(PDF形式)で出力し、それをInkscapeで読み込んで加工を試みましたが、どうもうまくいきません。\\ {{ :activities:products:sc2022-01-15_11.13.41r_w000.png?direct&200|Shaper Utilities}}SVG出力をするためのアドインがないか、[[https://apps.autodesk.com/FUSION/en/Home/Index|Autodesk APP Store]]で検索してみたら、あることはあるもののどれも有償のようです。さらに調べていると、Shaper Utilitiesというアドイン(無償)が使えるということがわかりました(手持ち式NC電動工具用に、その製品のメーカーが用意したソフト。[[https://ko5mi2n8ka.hatenablog.com/entry/2019/01/01/221609?utm_source=pocket_mylist|紹介記事]])。操作も簡単で使いやすいです。+  * とはいうものの、実はFusion360をレーザーカットのデザイン作成に使うには大きな問題があります。Fusion360でデザインしたものをベクターデザインソフトに渡すためのSVG形式での画像の出力が元々サポートされていません。3Dモデルの作成ソフトなので、そこから2Dデザインを出力する想定がなかったのでしょう。\\ 最初、図面作成機能(PDF形式)で図面として出力し、それをInkscapeで読み込んで加工を試みましたが、どうもうまくいきません。\\ {{ :activities:products:sc2022-01-15_11.13.41r_w000.png?direct&200|Shaper Utilities}}SVG出力をするためのアドインがないか、[[https://apps.autodesk.com/FUSION/en/Home/Index|Autodesk APP Store]]で検索してみたら、色々あるもののどれも有償のようです。さらに調べていると、Shaper Utilitiesというアドイン(無償)が使えるということがわかりました(手持ち式NC電動工具用に、その製品のメーカーが用意したソフト。[[https://ko5mi2n8ka.hatenablog.com/entry/2019/01/01/221609?utm_source=pocket_mylist|紹介記事]])。操作も簡単で使いやすいです。
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   * {{ :activities:products:sc2022-01-14_16.43.11r_w000.png?direct&200|Inkscape側で複数コピーします}}枠の部品を2種類(前背面、両側面)と角の部品を1種類デザインし、一つずつSVGファイルにしました。   * {{ :activities:products:sc2022-01-14_16.43.11r_w000.png?direct&200|Inkscape側で複数コピーします}}枠の部品を2種類(前背面、両側面)と角の部品を1種類デザインし、一つずつSVGファイルにしました。
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   * 各デザインは、レーザー加工用のデザインルールに合わせて設定(色、線幅、塗り潰し)します。   * 各デザインは、レーザー加工用のデザインルールに合わせて設定(色、線幅、塗り潰し)します。
  
-  * 出来たらPodea専用形式(ppzp)に出力して、Podea制御ソフトで取り込みます。と思ったら、取り込み時に「レイヤーが無い」というエラーが出てしまいした+  * 出来たらPodea専用形式(ppzp)に出力して、Podea制御ソフトで取り込みます。と思ったら、「レイヤーが無い」というエラーが出て取り込めせん
  
   * Inkscapeに戻ってよく見たら、作成したデザインは表示されているのにもかかわらず、レイヤーが存在していません。Fusion360でアドインで作成したSVGデータを取り込むと、そのデータはレイヤーの中に入ってくれないようです。とはいえ、レイヤーがないとPodea制御ソフトは受け付けてくれません。対応方法は2通りです。\\     * Inkscapeに戻ってよく見たら、作成したデザインは表示されているのにもかかわらず、レイヤーが存在していません。Fusion360でアドインで作成したSVGデータを取り込むと、そのデータはレイヤーの中に入ってくれないようです。とはいえ、レイヤーがないとPodea制御ソフトは受け付けてくれません。対応方法は2通りです。\\  
行 44: 行 44:
   * なぜか、複数ある部品の1個目の切断が終わったところで機械が止まってしまいました。これについては理由が不明ですが、たまにある事態です。\\ 機械をリセットし、なんとか続きを加工し、必要な枚数の各部品を切り出しました。   * なぜか、複数ある部品の1個目の切断が終わったところで機械が止まってしまいました。これについては理由が不明ですが、たまにある事態です。\\ 機械をリセットし、なんとか続きを加工し、必要な枚数の各部品を切り出しました。
  
-  * 各部品の切断面の状態は良好です。保護紙類を剥がして組み立てます。側板同士の互い違いのはめこみ部分は少しゆるめでしたが、角の部品はややきつめで、しっかりと組み上がります。5mm厚のアクリル板でも、細長いので力がかかるとうまくしなってくれ、キコキコと音を立てはめ込みができました。アクリルの柔らかさが感じられました。\\ 組み立てでゆるすぎたりきつすぎたりしたら、デザイン修正からやり直すつもりでいましたが、一発でいい具合に組み上がりました。\\ {{:activities:products:p1103163r_w600.jpg?direct&200|}} {{:activities:products:p1103165r_w600.jpg?direct&200|}} {{:activities:products:p1103164r_w600.jpg?direct&200|}}+  * 各部品の切断面の状態は良好です。保護紙類を剥がして組み立てます。側板同士の互い違いのはめこみ部分は少しゆるめでしたが、角の部品はややきつめで、しっかりと組み上がります。5mm厚のアクリル板でも、細長いので力がかかるとうまくしなってくれ、キコキコと音を立てながらはめ込みができました。アクリルの柔らかさが感じられま。\\ 組み立てでゆるすぎたりきつすぎたりしたら、デザイン修正からやり直すつもりでいましたが、一発でいい具合に組み上がりました。\\ {{:activities:products:p1103163r_w600.jpg?direct&200|切り出した全部品}} {{:activities:products:p1103165r_w600.jpg?direct&200|組み立てます}} {{:activities:products:p1103164r_w600.jpg?direct&200|完成!}}
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 ===== 設置 ===== ===== 設置 =====
-  * {{ :activities:products:p1113171r_w600.jpg?direct&200|}}今回作った展示台は、[[activities:products:3d_map_kori-mishiyama|桑折西山城跡模型]]の一番大きいもののサイズに合わせて作りましたので、[[activities:products:gallery_space|展示スペース]]に置いてある模型に合わせてみました。ガタも出ること無くぴったりに収まりましたので、そのまま台を付けて展示しています。+  * {{ :activities:products:p1113171r_w600.jpg?direct&200|本来は寝せて飾ります}}今回作った展示台は、[[activities:products:3d_map_kori-mishiyama|桑折西山城跡模型]]の一番大きいもののサイズに合わせて作りましたので、[[activities:products:gallery_space|展示スペース]]に置いてある模型に合わせてみました。ガタも出ること無くぴったりに収まりましたので、そのまま台を付けて展示しています。
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 ===== 感想 ===== ===== 感想 =====
activities/products/display_frame.1642220341.txt.gz · 最終更新: 2022/01/15 13:19 by Staff_Ujiie