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tools:laser:howto [2021/12/24 14:16] Staff_Ujiie [材料の保護] |
tools:laser:howto [2023/03/31 18:37] Staff_Ujiie [材料セットの位置] |
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* 彫刻加工ではレーザーヘッドは、加工条件で設定した速度で左右に行ったり来たりします。その際に一旦止まって向きを変えて動き始めるので、速度が上がるまでに距離が必要です。\\ そのため左端に材料をセットして速度を早く設定していると、材料上でまだ速度が追いついていない部分が出る可能性があり、均等に加工出来ません。それを避けるために__材料の左右に助走距離__を確保しておきます。 | * 彫刻加工ではレーザーヘッドは、加工条件で設定した速度で左右に行ったり来たりします。その際に一旦止まって向きを変えて動き始めるので、速度が上がるまでに距離が必要です。\\ そのため左端に材料をセットして速度を早く設定していると、材料上でまだ速度が追いついていない部分が出る可能性があり、均等に加工出来ません。それを避けるために__材料の左右に助走距離__を確保しておきます。 | ||
- | * 材料の縦横を加工機のレーザーヘッドの水平/垂直に合わせるには、加工テーブルの端を目安にします。端からの距離を測って位置を決めます。ただし厳密には加工テーブルの端とヘッドが動くX軸の部品の平行が取れているわけではありません。加工するデータもそのつもりで準備します。 | + | * 材料の縦横を加工機のレーザーヘッドの水平/垂直に合わせるには、加工テーブルの枠の端を目安にします。端からの距離を測って位置を決めます。ただし厳密には加工テーブルの端とヘッドが動くX軸の部品の平行が取れているわけではありません。加工するデータもそのつもりで準備します\\ (前に一度チェックしてみたら、横方向600mmの両端で縦に1mm程度ずれていました。ただしこれもテーブルの台にハニカムテーブルを取り付ける際のズレで変わってくる可能性もあります)。 |
* 大きめの材料から一回で彫刻/切断両方の加工を全部行う場合は、材料から加工がはみ出さないように気をつけるだけでよいので、そう問題ではありません。 | * 大きめの材料から一回で彫刻/切断両方の加工を全部行う場合は、材料から加工がはみ出さないように気をつけるだけでよいので、そう問題ではありません。 | ||
* 加工を何回かに分けて行ったり、最初から加工する位置がはっきり決まっている材料を使う場合は面倒です。__一番正確なのは、加工するレーザーそのもので引いた線__ですので、あらかじめテーブルに紙を貼って、加工品の外枠や基準線をレーザーで切り抜いて、その切り抜き箇所に材料を合わせてから加工を行うような工夫が必要です。 | * 加工を何回かに分けて行ったり、最初から加工する位置がはっきり決まっている材料を使う場合は面倒です。__一番正確なのは、加工するレーザーそのもので引いた線__ですので、あらかじめテーブルに紙を貼って、加工品の外枠や基準線をレーザーで切り抜いて、その切り抜き箇所に材料を合わせてから加工を行うような工夫が必要です。 | ||
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- | ***紙製ハニカム下敷き**:加工テーブルに使われている金属製のハニカム板の紙バージョンのようですが、紹介記事を見ると、加工後のくすみが見られなくなったそうです。燃えにくい処理がされた網状の紙で、テーブルと材料の間にはさんで使います。興味が出てきたので購入しようかと思いましたが、販路が限られていて価格も紙の割に結構するので保留にしておきました。 | + | ***紙製ハニカム下敷き**:加工テーブルに使われている金属製のハニカム板の紙バージョンのようですが、[[https:// |
* **裏面保護紙はがし**:くすみは、加工時に発生するアクリルのガスが切り口から材料と保護紙の間に入り込んで固まって出来ているようです。\\ 原因となるガスを逃してやる必要があるので、__下面のみ保護紙を剥がして加工__してみました。そうすると今度はくすみが見られません。切り口がきれいな状態になりました。\\ その一方で、今度は何か六角形の模様が付いている場所があります。ハニカム板の跡です。金属製のハニカム板が、材料を貫通したレーザーで熱くなって、接触しているアクリルの表面を溶かして跡が付いたようです。\\ 前述の紙製ハニカムは、熱が伝わりにくいので跡が付かないということだと思います。\\ 一難去ってというところですが、アクリルとハニカム板が触れなければよいので、保護紙を剥がした下面の両端(加工部分の外)に__厚めのマスキングテープを2枚重ねて貼って、ほんの少しすき間を作ってレーザー加工__してみました。今度はうまくいきました。変な跡も付かずにきれいなままです。\\ 少し浮いているので、切断時に動いてしまう可能性がありますが、テープの貼り付け位置を工夫することで対応します。\\ __レーザー加工する上面は保護紙付き__、__下面は保護紙を剥がしてマスキングテープで少し浮かす__。< | * **裏面保護紙はがし**:くすみは、加工時に発生するアクリルのガスが切り口から材料と保護紙の間に入り込んで固まって出来ているようです。\\ 原因となるガスを逃してやる必要があるので、__下面のみ保護紙を剥がして加工__してみました。そうすると今度はくすみが見られません。切り口がきれいな状態になりました。\\ その一方で、今度は何か六角形の模様が付いている場所があります。ハニカム板の跡です。金属製のハニカム板が、材料を貫通したレーザーで熱くなって、接触しているアクリルの表面を溶かして跡が付いたようです。\\ 前述の紙製ハニカムは、熱が伝わりにくいので跡が付かないということだと思います。\\ 一難去ってというところですが、アクリルとハニカム板が触れなければよいので、保護紙を剥がした下面の両端(加工部分の外)に__厚めのマスキングテープを2枚重ねて貼って、ほんの少しすき間を作ってレーザー加工__してみました。今度はうまくいきました。変な跡も付かずにきれいなままです。\\ 少し浮いているので、切断時に動いてしまう可能性がありますが、テープの貼り付け位置を工夫することで対応します。\\ __レーザー加工する上面は保護紙付き__、__下面は保護紙を剥がしてマスキングテープで少し浮かす__。< | ||
- | * **裏面の保護紙をマスキングテープに交換**:前項の裏面保護紙剥がしの手法は、アクリルの表面がハニカム板に触らないように距離を取るためのテープ貼り作業が面倒です(切断時にパーツが動かないような位置を考えて貼るため)。\\ アクリル板に元々付いている保護紙は、物が当たっても傷が付かないようにしっかりした紙が使われていて、なおかつ簡単に剥がれるようになっています。私見ですが、レーザーがアクリルを切断した後、保護紙が切断されるまでの間に、発生したアクリルガスが逃げ場を失い、剥がれやすい保護紙とアクリルの間に入り込むのではないかと思います。そう考えると、もっと簡単に切断できて粘着力の強い保護紙ならくすみも出ないのではないでしょうか。\\ ということで、アクリル板に元々付いていた__裏面の保護紙を剥がして、代わりにマスキングテープを貼って切断__してみました(マスキングテープは3Mの243J Plus)。保護紙代わりなので、今回はテーブルから浮かせるためのテープ貼り作業は行いません。\\ 加工後、マスキングテープを剥がしてみると(粘着力はさすがに保護紙の比ではありません)、くすみは見られませんでした。これなら、手間は保護紙の貼り替えだけでよく、ノウハウとかも必要ありません。こちらの方法を__アクリル切断の際のデフォルト__にします。\\ {{: | + | * **裏面の保護紙をマスキングテープに交換**:前項の裏面保護紙剥がしの手法は、アクリルの表面がハニカム板に触らないように距離を取るためのテープ貼り作業が面倒です(切断時にパーツが動かないような位置を考えて貼るため)。\\ アクリル板に元々付いている保護紙は、物が当たっても傷が付かないようにしっかりした紙が使われていて、なおかつ簡単に剥がれるようになっています。私見ですが、レーザーがアクリルを切断した後、保護紙が切断されるまでの間に、発生したアクリルガスが逃げ場を失い、剥がれやすい保護紙とアクリルの間に入り込むのではないかと思います。そう考えると、もっと簡単に切断されて粘着力の強い保護紙ならくすみも出ないのではないでしょうか。\\ ということで、アクリル板に元々付いていた__裏面の保護紙を剥がして、代わりにマスキングテープを貼って切断__してみました(マスキングテープは和紙ベースでいつも使っている3Mの243J Plus)。保護紙代わりなので、今回はテーブルから浮かせるためのテープ貼り作業は行いません。\\ 加工後、マスキングテープを剥がしてみると(粘着力はさすがに保護紙の比ではありません)、くすみの発生は見られませんでした。これなら、手間は保護紙の貼り替えだけでよく、ノウハウとかも必要ありません。こちらの方法を__アクリル切断の際のデフォルト__にします。\\ {{: |
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