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activities:products:replace_parts [2022/04/16 11:23] Staff_Ujiie [作成の方針] |
activities:products:replace_parts [2022/04/16 11:55] (現在) Staff_Ujiie [ロールスクリーン破損部品のリプレース] |
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===== 経緯 ===== | ===== 経緯 ===== | ||
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* 長期間ロールスクリーンのパイプから外れることなく、引っ張り紐をきちんと固定し続けるように、丈夫さ優先で一体成形にします。横から見たときには馬蹄形になります。 | * 長期間ロールスクリーンのパイプから外れることなく、引っ張り紐をきちんと固定し続けるように、丈夫さ優先で一体成形にします。横から見たときには馬蹄形になります。 | ||
- | * 最初にロールスクリーン側の取り付け場所の形と寸法をきちんと調べます。\\ 布が巻かれた状態のアルミパイプの外寸を測って、そこに無理なく横から差し込めるくらいの内径に調節します。\\ 実はパイプの断面が円ではなく、楕円形のような形だったので、できるだけ似せてスケッチ図面を引きます(Fusion360)。 | + | * {{ : |
* 部品の厚みは、薄すぎてたわんで外れてしまわないようにある程度以上は必要です。薄い所で2.5mmぐらい取りました。引っ張ったときに力のかかる上側をより厚くしています。 | * 部品の厚みは、薄すぎてたわんで外れてしまわないようにある程度以上は必要です。薄い所で2.5mmぐらい取りました。引っ張ったときに力のかかる上側をより厚くしています。 | ||
行 34: | 行 34: | ||
* 横幅や正面から見た形はオリジナル部品の形に似せて丸みを持たせます。 | * 横幅や正面から見た形はオリジナル部品の形に似せて丸みを持たせます。 | ||
- | * 設計は横断面・正面・底面の3方向からスケッチを作成します。\\ 寸法が一番大事な横断面のスケッチから押出しで立体化し、正面スケッチで丸みのある外形を切り出して、底面スケッチで紐通しの穴を開けました。全体にフィレットで切り口を丸めて仕上げです。 | + | * 設計は横断面・正面・底面の3方向からスケッチを作成します。\\ 寸法が一番大事な横断面のスケッチから押出しで立体化し、正面スケッチで丸みのある外形を切り出して、底面スケッチで紐通しの穴を開けました。全体にフィレットで切り口を丸めて仕上げです。\\ {{: |
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- | * 横断面のスケッチは、最初にロールスクリーンの部品の輪郭を円とフィット点スプラインで作り、その輪郭線を基準にオフセット線を引いて部品の輪郭を作っていきます。目安とする基準線を何本も引いて、それを参考に部品の輪郭線をスプライン曲線で作っていきます。 | + | |
+ | * 横断面のスケッチは、最初にロールスクリーンのパイプの輪郭を円とフィット点スプラインで作り、その輪郭線を基準にオフセット線を引いて部品の輪郭を作っていきます。目安とする基準線を何本も引いて、それを参考に部品の輪郭線をスプライン曲線で作っていきます。 | ||
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===== プリント ===== | ===== プリント ===== | ||
- | <スライス> | + | **<スライス>** |
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* できるだけ強度を上げたいので、プリントの向きをパイプが縦になるように配置します。こうすると1本のフィラメントが途切れずにパイプをくるむ形で積層されるので、破損した部品のように縦に割れてしまう事態は起きにくくなると思います。 | * できるだけ強度を上げたいので、プリントの向きをパイプが縦になるように配置します。こうすると1本のフィラメントが途切れずにパイプをくるむ形で積層されるので、破損した部品のように縦に割れてしまう事態は起きにくくなると思います。 | ||
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* 縦にプリントするのでサポートを付けることは必要です。とはいえ、この位置だとサポート除去跡は目立たないと思います。 | * 縦にプリントするのでサポートを付けることは必要です。とはいえ、この位置だとサポート除去跡は目立たないと思います。 | ||
- | <プリント結果> | + | **<プリント結果>** |
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* 部品の内側に糸引きが多数発生していました。PETGの場合、糸は簡単にパラパラと取れてくるのでたくさんあってもあまり心配は要りません。取り残しがないように注意しながら全体にスクレーパーの刃を当てて取っておきます。 | * 部品の内側に糸引きが多数発生していました。PETGの場合、糸は簡単にパラパラと取れてくるのでたくさんあってもあまり心配は要りません。取り残しがないように注意しながら全体にスクレーパーの刃を当てて取っておきます。 | ||
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- | * 紐を通す穴は、横向きに成形されたため断面がきれいに円になっているか自信がないので、同じ直径のドリルの刃を通してきれいに仕上げておきます。 | ||
* 所々に茶色い塊が見られます。これは、プリントノズルの外側に付着した材料(PETG)が長時間熱せられて焦げたものが、プリント中にはがれて付いたものだと思われます。\\ 1箇所だけ、プリント内部に入り込んだ箇所がありました。目立たないように表面を削っておきます。 | * 所々に茶色い塊が見られます。これは、プリントノズルの外側に付着した材料(PETG)が長時間熱せられて焦げたものが、プリント中にはがれて付いたものだと思われます。\\ 1箇所だけ、プリント内部に入り込んだ箇所がありました。目立たないように表面を削っておきます。 | ||
行 57: | 行 57: | ||
* 部品の外側の面は滑らかに光沢のある半透明に仕上がっています。 | * 部品の外側の面は滑らかに光沢のある半透明に仕上がっています。 | ||
+ | * 紐を通す穴は、横向きに成形されたため断面がきれいに円になっているか自信がないので、同じ直径のドリルの刃を通して仕上げておきます。 | ||
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行 66: | 行 67: | ||
* スクリーンを上げ下げしてみましたが機能的にも問題なさそうです。見た目も言われなければ気が付かないぐらいに違和感なくおさまっています。 | * スクリーンを上げ下げしてみましたが機能的にも問題なさそうです。見た目も言われなければ気が付かないぐらいに違和感なくおさまっています。 | ||
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