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activities:products:plc [2022/06/11 16:45]
Staff_Ujiie [PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)について]
activities:products:plc [2023/12/05 10:27] (現在)
Staff_Ujiie [OpenPLC]
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 ===== きっかけ ===== ===== きっかけ =====
-{{ :activities:products:p6114140_w600.jpg?direct&200|別冊書籍}}もともと雑誌のInterface誌の連載を見ていて、展示スペースでモーターを使った展示物を自動で動かす仕組みを作れるのではと思ったのがきっかけです。記事をまとめた書籍(基板提供付き)も出版されたので、それを買っていろいろ調べ始めました。+{{ :activities:products:p6114140_w600.jpg?direct&200|別冊書籍}}もともと雑誌のInterface誌の連載を見ていて、展示スペースでモーターを使った展示物を自動で動かす仕組みを作れるのではと思ったのがきっかけです。記事をまとめた書籍(基板提供付き、CQ出版社)も出版されたので、それを買っていろいろ調べ始めました。
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 ===== PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)について ===== ===== PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)について =====
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   * ホームオートメーション、IOT機器の制御、建物管理、工場の生産機械のオートメーション等に使用されています。   * ホームオートメーション、IOT機器の制御、建物管理、工場の生産機械のオートメーション等に使用されています。
   * 国内では、三菱製の「シーケンサ」に代表される自動化関連機器の豊富なラインアップがあります。   * 国内では、三菱製の「シーケンサ」に代表される自動化関連機器の豊富なラインアップがあります。
-  * 1つのPLCにたくさんの機器を接続してそれらを自由に制御するシステムが組め。機器の入れ替えや制御方法の見直しなどが容易にできるのが特徴。生産ラインなら製造機械の入れ替え、ライン構成の変更等にも柔軟に対応できます。+  * 1つのPLCにたくさんの機器を接続してそれらを自由に制御するシステムが組めます。機器の入れ替えや制御方法の見直しなどが容易にできるのが特徴。生産ラインなら製造機械の入れ替え、ライン構成の変更等にも柔軟に対応できます。
   * 制御用のプログラム作成に使用される言語(ラダー言語等)も、習得のハードルが低いとのことです。   * 制御用のプログラム作成に使用される言語(ラダー言語等)も、習得のハードルが低いとのことです。
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 {{ :activities:products:p5314092r_w600.jpg?direct&200|おまけの実験基板}}オートメーションの分野で使われてきたPLCにおいて、オープンソースのソフトが出てきて、手軽に自作で手を出せる環境が揃ってきたとのことです。\\ 記事中では、ラズベリーパイをコントローラとして利用できるオープンソースのOpenPLCを使ってPLCシステムを作り、様々な利用方法の実験を紹介しています。\\ 別冊の書籍版は記事中で使われている専用基板提供のおまけ付きで、部品を入手してはんだ付けすれば同様の実験が始められます(部品セットも別途市販(秋月電子通商 [[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-15645/|DC24VアイソレートI/O基板パーツセット]]、[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-15925/|ArduinoアナログI/O拡張基板パーツセット]])されています)。最近の半導体不足でラズベリーパイの入手が一番のネックかもしれません。 {{ :activities:products:p5314092r_w600.jpg?direct&200|おまけの実験基板}}オートメーションの分野で使われてきたPLCにおいて、オープンソースのソフトが出てきて、手軽に自作で手を出せる環境が揃ってきたとのことです。\\ 記事中では、ラズベリーパイをコントローラとして利用できるオープンソースのOpenPLCを使ってPLCシステムを作り、様々な利用方法の実験を紹介しています。\\ 別冊の書籍版は記事中で使われている専用基板提供のおまけ付きで、部品を入手してはんだ付けすれば同様の実験が始められます(部品セットも別途市販(秋月電子通商 [[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-15645/|DC24VアイソレートI/O基板パーツセット]]、[[https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-15925/|ArduinoアナログI/O拡張基板パーツセット]])されています)。最近の半導体不足でラズベリーパイの入手が一番のネックかもしれません。
  
-この基板に接続する周辺部品については用途や必要に応じて買い足してゆくことになります。基礎知識がないだけに品物を探すことが結構大変で疲れました。書籍で出てくるような機械式リレーは、C接点リレーが大抵生産終了で入手できず、選択肢がありません。また、リレーユニットとソケットの規格がよくわからず、どれを選べばよいかがわかりせん+この基板に接続する周辺部品については用途や必要に応じて買い足してゆくことになります。基礎知識がないだけに品物を探すことが結構大変で疲れました。\\ 書籍で出てくるような機械式リレーは、C接点リレーが大抵生産終了で入手できず、選択肢がありません。また、リレーユニットとソケットの対応や規格がよくわからず、どれを選べばよいか悩みした
  
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   * かつてはPLCは製造工場や大規模施設で主に使われていたため、市販の機器やソフトは高額なものが多いです(特にソフトウェア)。その後、ホームオートメーションやIOTなど、より広い分野で使いたいニーズが増えて、一般に広く普及した小型マイコンボード(ラズベリーパイ等)にオープンソースのソフトウェアを載せて、安価にPLCのシステムを構築する使い方ができるようになってきました。   * かつてはPLCは製造工場や大規模施設で主に使われていたため、市販の機器やソフトは高額なものが多いです(特にソフトウェア)。その後、ホームオートメーションやIOTなど、より広い分野で使いたいニーズが増えて、一般に広く普及した小型マイコンボード(ラズベリーパイ等)にオープンソースのソフトウェアを載せて、安価にPLCのシステムを構築する使い方ができるようになってきました。
-  * [[https://openplcproject.com/|OpenPLC]]は、個人がオープンソースで開発したPLCソフトです。+ 
 +  * [[https://openplcproject.com/|OpenPLC]]は、個人がオープンソースで開発した、無償で利用できるPLCソフトです。 
   * サポートしているハードウェアはRaspberry Pi、Arduino、Windows/Linux PC、PiXtend/Unipi/FreewaveのRaspberry Pi組込製品他。   * サポートしているハードウェアはRaspberry Pi、Arduino、Windows/Linux PC、PiXtend/Unipi/FreewaveのRaspberry Pi組込製品他。
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   * 使い方   * 使い方
-    * プログラムを作るエディタ/ハードウェアに組み込む実行環境のランタイム/監視用ソフトのSCADAの3つに分かれており、手順に従ってしばらく動かしてみているとすぐ慣れると思います。難しいかどうかは、むしろこのソフトがどうという以前に、PLCというシステムの理解に左右されると思います。 +    * プログラムを作るエディタ/ハードウェアに組み込む実行環境のランタイム<del>/監視用ソフトのSCADA</del>2つに分かれており、手順に従ってしばらく動かしてみているとすぐ慣れると思います。難しいかどうかは、むしろこのソフトがどうという以前に、PLCというシステムの理解に左右されると思います。 
-  * サイトが直近(2022/5?)でリニューアルされ、少しわかりにくくなった感じです。前はランタイムを入れた機器に繋いで使うSlaveデバイス扱いだったArduinoが、直接ランタイムをインストールできるように変わっていました。サポート対象の古いハードウェア関係の記事は整理されてしまったようです。まだ幾つかのページは工事中です。+    * Web上では、PLC関連というと三菱のシーケンサのプログラム関連の記事が多く出てきますが、それらよりもこちらの方がわかりやすい感じがします。 
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 +  * サイトが直近(2022/5?)でリニューアルされ、少しわかりにくくなった感じです。前はランタイムを入れた制御用の機器に入出力を追加するため使うSlaveデバイス扱いだったArduinoが、直接ランタイムをインストールできるようなバージョンに変わっていました。サポート対象の古いハードウェア関係の記事は整理されてしまったようです。まだ幾つかのページは工事中です。 
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 +  * Unipi1.1/Liteがサポートされています(UniPiのサイトではOpenPLCの詳しい情報は載せていないため、使い方はOpenPLCのサイトを参照します。以前はUniPi1.1用のインストラクションがあったのですが、サイトリニューアルで無くなったので、今後は[[https://openplcproject.com/docs/installing-openplc-runtime-on-linux-systems/|"Linuxへのインストール"]]を参照することになります。
  
-  * Unipi1.1/Liteがサポートされています(UniPiのサイトでは詳しい情報は載せてないため、使い方はOpenPLCのサイトを照します。以前はUniPi1.1用のインストラクションがあったのですが、サイトリニューアルで無くなったので、今後は[[https://openplcproject.com/docs/installing-openplc-runtime-on-linux-systems/|Linuxへインストール]]を参照することになります。+考:[[howto:open_plc:index.html|OpenPLC使い方]]
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 ===== 市販製品の活用 ===== ===== 市販製品の活用 =====
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 ===== Raspberry Piの設定 ===== ===== Raspberry Piの設定 =====
 UniPi1.1に乗せたRaspberry PiにOpenPLCを設定します。 UniPi1.1に乗せたRaspberry PiにOpenPLCを設定します。
-  * 最新版のOSをインストールし、OpenPLCのランタイムをインストールします。+  * 最新版のOSをインストールし、OpenPLCのランタイムをインストールします。OpenPLCのページでは、UniPi1.1はUniPi Industrial Platformという呼び名が使われています。
   * 書籍記事を参考に、Raspberry PiとWifiでつないでPLCプログラムを送り込めるように、Wifiルータの設定をします。   * 書籍記事を参考に、Raspberry PiとWifiでつないでPLCプログラムを送り込めるように、Wifiルータの設定をします。
   * その後、他の機器からWifiのSSIDが見えなくなる現象が起きました。書籍中にもこの話があったので、システム起動時にWifi機能をOFF/ONするような設定を行うことで対応しました。\\ Raspberry Piのシャットダウンが適正にされていないときに起きる不具合のようですが、単体で動かしているときは、運用上避けられないと思います。パワースイッチが欲しくなります(ちなみにBeagle Bone Blackでは基板上にパワースイッチが付いていて、ワンタッチでシャットダウンプロセスを開始できます)。   * その後、他の機器からWifiのSSIDが見えなくなる現象が起きました。書籍中にもこの話があったので、システム起動時にWifi機能をOFF/ONするような設定を行うことで対応しました。\\ Raspberry Piのシャットダウンが適正にされていないときに起きる不具合のようですが、単体で動かしているときは、運用上避けられないと思います。パワースイッチが欲しくなります(ちなみにBeagle Bone Blackでは基板上にパワースイッチが付いていて、ワンタッチでシャットダウンプロセスを開始できます)。
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 ===== ラダープログラム ===== ===== ラダープログラム =====
-PLCをプログラムする言語は幾つかありますが、過去からよく使われてきたのはラダー言語になります。今回はラダー言語を学んでプログラムを作ります。\\  +PLCをプログラムする言語は幾つかありますが、過去からよく使われてきたのはラダーになります。今回はラダーを学んでプログラムを作ります。\\  
-{{ :activities:products:sc2022-06-11_16.18.18_w600.png?direct&200|LED間欠点灯のサンプル}}言語というのが合っているのかとも感じますが、はしご状に引いた線の途中にいろいろな役割をさせるブロックを配置した図がプログラムになります。PLCを動かすと、その図を左から右へ、上から下へと実行し、一通りこなしたら、最初からまた延々と繰り返し実行し続けます。\\ +{{ :activities:products:sc2022-06-11_16.18.18_w600.png?direct&200|LED間欠点灯のサンプル}}はしご状に引いた線の途中にいろいろな役割をさせるブロックを配置した図がプログラムになります。PLCを動かすと、その図を左から右へ、上から下へと実行し、一通りこなしたら、最初からまた延々と繰り返し実行し続けます。\\ 
 基本のブロックはスイッチとコイル(リレーの一部分)で、実際の入出力と対応させることで周辺機器から信号を受け取ったり、機器を操作したりします。いろいろな処理ができるように、内部処理用のスイッチやコイル、各種機能用の専用ブロックも用意されています。これらをつないで組み合わせて、目的の自動処理を実現するラダー図を作ってゆくことになります。 基本のブロックはスイッチとコイル(リレーの一部分)で、実際の入出力と対応させることで周辺機器から信号を受け取ったり、機器を操作したりします。いろいろな処理ができるように、内部処理用のスイッチやコイル、各種機能用の専用ブロックも用意されています。これらをつないで組み合わせて、目的の自動処理を実現するラダー図を作ってゆくことになります。
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 {{ :activities:products:p5244060r_w600.jpg?direct&200|ケース作成}}(つづく)\\ :ラダープログラムの勉強、UniPi1.1によるPLCシステムの実際、展示スペースでの自動運転の状況等々...現在進行中 {{ :activities:products:p5244060r_w600.jpg?direct&200|ケース作成}}(つづく)\\ :ラダープログラムの勉強、UniPi1.1によるPLCシステムの実際、展示スペースでの自動運転の状況等々...現在進行中
activities/products/plc.1654933513.txt.gz · 最終更新: 2022/06/11 16:45 by Staff_Ujiie