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X-Plus3ファームウェア更新トラブル

MCU protocol error

押さなくていいボタンを押して、3Dプリンターが動かなくなってしまいました。
X-Plus3を縁の下で動かしているKlipperファームウェアの新バージョンのお知らせ通知がスライサーの画面で出ていたので、軽い気持ちで更新したところ、バージョン不整合のエラーが表示され、本体側にも同じ表示が出て動かせなくなってしまいました(前にQIDI Techのプログラム以外での更新は行わないこととどこかに書いてあったのを見たような記憶はうっすらありましたが)。

QIDI Techのサポートに連絡して、その指示に従って作業をして、やっと復帰できました。

QIDI Techの高速3Dプリンター/Klipper採用機種では、Klipperの新バージョンが出ても、個別のプログラムの更新はしないこと、です。

なぜ

QIDI Techから提供されているQIDI Slicerの中で、フォームウェアのアップデート通知が出ていたので、大丈夫だろうと思って更新してしまったのが敗因です。
fluidd

このスライサーはオリジナルがPrusa Research製のPrusaSlicerで、それをQIDI Techが自社3Dプリンター用にカスタマイズしたものです。

接続している3Dプリンターの状況をモニターする画面(fluidd)の中にあるソフトウェアのバージョン表示の箇所に、更新通知と更新の機能があり、そこがオリジナルのままになっているということですね。ここが非表示にでもなっていれば、よけいなトラブルも回避できたかもしれませんが。

Klipper自体は、元々QIDI Techとは別の独立したプロジェクトなので、デバイスのモニター画面から更新できるようにしてあるのでしょうが、ここでは、QIDI Techのハードウェアに組み込まれた特殊な環境なので、勝手にそこだけを更新とはいかないということです。

今回のトラブルで思い知ったので、この先この画面からの更新はしませんし、更新通知もOFFにしておきます。

リカバリまでの経緯

QIDI Techのサポートに連絡するのは2年ぶりです。その当時からは公式ウェブ上の情報も整備されて、そこからだけでも様々な情報を集められるようになりました。
それでも顧客への迅速なサポートを売りにしている姿勢は変わっていません。eメールして30分もしないうちに対応の仕方の連絡が来ました。その後関連するこちらの質問や作業に合わせたフォローもしてくれました。

この記事は、ここを見ればリカバリーできるというような内容にはしませんが、今回のような事態に陥った人は潜在的に結構いるのではないかと思います。大丈夫、注意深く作業すればもとに戻せます。

状況は、3Dプリンターを動かしているソフトウェア群の一部のファームウェア(Klipper)のバージョンが上がったために、これだと他と不整合が起きているというエラーが出た状態です。そのため、バージョンを上げたファームウェアを元のバージョンに戻す作業が必要になります。

修復作業は、複雑なものではないですが、本体のシステム内のファイルを手作業でいじることになりますので、うっかり間違えると更に深刻なトラブルを引き起こしかねません。1つ1つの作業を都度確認しながら、慎重に進めます。この手の作業に慣れているかどうかでハードルの高さも変わると思います。

作業は、パソコンから3Dプリンターにネットワーク経由で接続して、本体内部に記録されているファイルにアクセスし、バージョンを上げてしまったファイル一式を、別途QIDI techから入手するオリジナルと入れ替えます(その作業をするのに必要なソフトのインストールも必要になりました)。
さらに、QIDI Techのファームウェアを現在の最新版にアップデートします。

Moba Xtermでの作業

この先は、ソフトウェアのバージョンアップは、QIDI Tech提供のプログラムのみで行うようにします。

サポートとのやりとりについて

QIDI Techは中国の会社で、サポート部門も中国にあります。説明書や本体に表示されるサポート用eメールアドレスで連絡を取ったときに対応してくれる中国人スタッフは、世界各国からのメールをさばいて個々のケースに対応していきます。
そのため、英語でのやりとりがスムーズだとは思いますが、日本語で問い合わせても、翻訳ソフトで内容を把握して返してくれます。相手からの回答そのものは英語で来ると思います。

連絡するときには、自分が何をやって、どういう状況になっていて、どうしてほしいのかを明確に伝わるように努めることです。誰が見ても一目瞭然の情報、写真や画像のコピー、スクリーンショット等を付けると誤解が起きにくくていいと思います(不要な個人情報が出ていたら、そこだけマスクしたりは必要ですが)。
更にサポートからの指示に沿った作業をする場合も、作業毎にスクリーンショットを撮っておくと、説明のためだけでなく、後から自分の作業を確認するのにも役立ちます。

トラブル対応の作業そのものは、サポートの指示内容に従って自分で行うのが基本になります。
ハードウェア周りからソフトウェアまわりまで多岐にわたる可能性がありますので、指示内容でよくわからないところは、より詳しく説明してもらったり、自分でも調べたりして、納得がいってから作業に移るようにした方が自分のためにもなります。