▽このページの目次▽
ケース
ケースの検討
使用製品
ケース加工
電源部の制作
PLC2号機の制作(ケース・電源編)
長くなるので別ページに分けた、ケースと電源部の制作です。
ケース
ケースの検討
えてして、入れるケースが具体的に決まってくると、作るものの全体像や詳細のイメージがわいてきて、仕様や寸法、必要な作業が具体化して先に進めます。
金属製である必要がない場合は、加工のし易さや価格から、市販の樹脂製の部品ケースやコンテナ等を利用することが多いです。
とはいえ、パーツ収納用として売っている市販のケースは、高さが足りない上に取り外せない仕切板が付いたものが多く、一方コンテナケースとして市販されているものは、電子工作の基板類を入れるには高さがありすぎるものが多いので、ちょうどよく感じるものはなかなか見当たりません。
使用製品
いろいろ探していて、今回の用途にピッタリのとても使い勝手の良い汎用コンテナケースを見つけました。事業者向け通販のモノタロウのPB商品の
NWボックス(M-M1-CL 5.3L)
という薄型のクリア樹脂ケースです。
電子工作の基板を何枚か収めたものを作る場合のケースとしては、理想的なのではないかと思えるスペックです。
良いところ(悪い点は思いあたりません)
底面積が広くて高さが低いかたちです(内寸W244xD367xH65mm)。この手のコンテナで薄いのはあまり見かけません。フタと底がかみ合う形状になっていて、何個か積み重ねた状態で使用できます。重ねるときはフタを入れても入れなくてもかみ合います。
積み重ねて一緒に使える、高さだけが異なる深底ケースもラインアップされています。
一体成型のクリア樹脂(ポリプロピレン)ケースなので、加工しやすくて軽く、値段が安いです。無加工なら水にも浮かぶでしょう。
両脇に付いたバックルが大きくて開閉しやすく、楽にしっかりとフタを固定できます。持ち運びもしやすいです。
付属の仕切り板(大小)の作りが結構凝っていて、それらを全部外すと内部がほぼフラットになります。仕切り板が作り付けになったケースの場合、その切除作業がかなり面倒ですので、それをしなくて済むのは大きな利点です。
逆に仕切板を使いたい場合でも、設置の自由度が高くて使いやすいです。
補強のリブが数多く入っているので、ケースに多少穴を開けても強度が保てます。
高さのある部品として、ソケット式リレー(PYF14A、AJHJ3848互換品)を入れてみました。ケース底に直接置いた時に、ケースのフタの凸部分にぎりぎりで収まるくらいです(フタの凹部分には干渉します)。収納可能ではありますが設置する位置には注意がいります。
また、今回部品取り付け用に作った底板を使うと、高さが足りなくなり、収まりませんので、その部分だけ底板を切り欠くか、もっと深型のケースに替える必要があります。
ケース加工
底板ははめ込むだけなので、このケースに必要な加工は、入出力用・電源の端子部品にケースの外から配線ができるように、側面に穴を開ける作業になります。入出力端子部品は自由に取り付け位置を変えられるようにしてありますが、ケースの穴の方は使いそうな位置を想定して開けておきます。
穴あけをしてみて重要だったのは、穴の高さでした。背の低いケースなので、ケーブルを挿そうとしたときにコネクターをつかんだ指がフタに当たってしまいます。横方向にも指のための余裕が必要です。そのため端子のサイズに合わせて一旦開けた穴を、後で縦横に広げることになりましたが、それでも端子の脱着作業にはちょっときつめです。
素材としては柔らかい樹脂製なので、太めのドリル刃でざっと輪郭に沿って穴を並べて開けておいて、その後輪郭に合わせて縁をキレイに仕上げました。仕上げには糸鋸や超音波カッターも使ってみましたが、キレイに効率よく出来たのは、3Dプリントの後加工に使っている皮剥ぎ用のスクレーパでフチを真っ直ぐに削っていくことでした(力を入れた作業になる分、ケガもしやすいですが)。
ACインレット用の穴では、ハンダゴテの先をカッター形状のものに換えてヒートガンとして使っても見ました。結構調子良く切れますが、切り口が溶けた樹脂で盛り上がってくるので、その後の整形には手間取ります。
電源部の制作
ケース2の内部に電源部を組み立てます。
電源には、あまり見たことがない1台で複数電圧が取り出せるスイッチング電源ユニットを見つけたので使ってみました。DC+5V(8A),12V(7A),24V(5A)の端子が付いています。電流値は単独の電圧のみで使った時の上限値でしょう。1台で済む分、省スペースには貢献します。
AC100VからDC+5,12,24Vを作って、各電圧を必要な基板で利用できるようにそれぞれ電源端子を準備します。
ACインレットにはノイズフィルター付きを使いました。底板を外せるような構造にするので、ケース側に直接ネジ止めするわけにはいかず、専用のアダプター(3Dプリント:耐久性がほしいのでPETGのフィラメントを使いました)を作って、底板上にネジ止めで固定しました。
ヒューズを介して電源ユニットに配線します。後になってメインスイッチが欲しくなり、屋内配線用の露出スイッチを追加しました(この中ではやけに大きくて不格好になってしまいましたが)
電源ユニットからは、ケース1と2の電源端子までそれぞれ配線します。ケース1とはユーロブロックという丈夫なコネクターを付けたケーブルでつなぎます。
出来上がって各端子間の電圧を測ったら、12VのスイッチをONにしたときに、スイッチを切っている5V端子に電圧が出たり、その逆もと、おかしな挙動が見られます(スイッチ同士には導通はありません)。負荷がつながれば想定通りの電圧になるはずとのことで、抵抗器10KΩ(1/4W)をつけて症状が解消したことを確認しました。
さらに、ラズパイをつないで電源を入れたら、ラズパイの画面上で電源電圧不足と警告が出ました。電源ユニットの調節ネジで若干電圧を上げて、供給電圧が5.1Vになるように合わせました(調整は5V出力に対してのみできます)。つなぐ負荷が増えたら、もっと上げる必要があるかもしれません。
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