▽このページの目次▽
設置
1.西面はめ殺し窓(✕5):
2.西面片開き窓(✕2):
3.南北角はめ殺し窓(✕2):
4.南面引き戸窓(✕4):
5、北面流し引き戸窓(✕2):
効果・感想
追加工
その後の感想
ポリカプラダンでの簡易内窓の制作 (3) 設置~感想~改良
各部品を組み合わせて内窓を完成させます。
設置
1.西面はめ殺し窓(✕5):
L字アングルをサッシの両側面の枠に沿って両面テープで接着します。奥行きを揃えるために、アングルの端材で位置決め用の治具を作って、それをサッシの枠に仮止めしておいて、それに合わせて位置決めしながら、両面テープの剥離紙を剥がして接着します。接着箇所全部を木切れを使って強く圧着しておきます。
下側のジョイナーの側面をサッシの枠に両面テープで接着します。高さが一定になるように接着位置には注意します。位置確認後、圧着します。
接着されたL字アングルにボードを合わせて、アングルに開いた穴を見ながら、ボード上に穴あけ位置をプロットします。その後ボードを外して穴あけ作業を行います。
L字アングルの各穴にねじ受け金具(スピードナット)をはめ込みます。ボード1枚につき穴あけ箇所は10箇所あります。
ボードの上端にジョイナーをはめ込みます(下側の取り付け位置に個体差がありそうなので、このジョイナーはサッシ枠には接着しないことにしました。隙間ふさぎにはなります)。
ボードの窓ガラス側の保護フィルムを剥がします。静電気で床からゴミを吸い付けないように、取り付け前に床をきれいに掃除しておきます。一旦ボードを固定してしまうと、外すのが面倒になるので、特にガラス面との間にはゴミが入らないように気をつけます。
ボードを設置する枠の位置に合わせて、下側のジョイナーの溝にはめ込みます。
タッピングトラスネジに自作のスペーサーをはめて、ボードをネジ止めします。一応締める順序は真ん中から対角線順にしますが、ボードが温度で膨張収縮するはずなので、多少は動けるように、少し抵抗を感じる程度に軽く締めるぐらいに留めておきます。
事前に穴の位置が合っているかをチェックしていたので、穴の位置が大きくズレて手直しが必要だったのは1箇所ですみました。思いの外スムーズに進みました。
全部のネジ止めが終わったら、室内側の保護フィルムを剥がしてできあがりです。
2.西面片開き窓(✕2):
ここでは引き戸レールの取付け位置がポイントです。途中で曲がって付けてしまうと、引き戸のスライド動作に影響します。
まず上側のレールを両面テープで天井側の取付け位置に接着します。引き戸2枚分の細長いレールを天井につけるのはけっこう大変です。位置決めをして養生テープで仮止めします。一旦養生テープでレールを止めてしまって、離れた場所からサッシからの距離と曲がっていないかを確認します。その後養生テープの片側を外し、レールを傾けて剥離紙を引き抜いて接着していきます。
剥がれてこないように念入りに全部の接着面に力をかけて圧着しておきます。
下のレールも同様に貼り付けます。こちらは落ちてくることはないので仮止めも適当でよいです。
ボードの窓ガラス側の保護フィルムを剥がしてから、レールにはめ込み、引き戸の動作や隙間が問題ないか確認してから室内側のフィルムを剥がして出来がりです。
南面の引き戸と同様に、天井向きに取り付けるレールの接着が難しかったです。ジョイナーの幅広の方を窓枠側にしてボードをレールにはめました。アルミサッシの枠に隙間なくぴったり押し付けられたように収まっており、うまくできました。
3.南北角はめ殺し窓(✕2):
寸法が異なるだけで、西面はめ殺し窓と設置手順は全く一緒です。
4.南面引き戸窓(✕4):
まず上側のレールを両面テープで天井側の窓枠の取付け位置に接着します。重さは軽いものの、引き戸2枚分ある長い部材を天井につけるのはけっこう大変です。
両面テープを貼り付けて剥離紙を付けたままのレールを、位置決めをして一旦マスキングテープで仮止めしてしまいます。その後離れた場所からサッシからの距離と曲がっていないかを確認し、必要ならば位置を調整します。その後マスキングテープの片側を外し、レールを傾けてその隙間から剥離紙を引き抜いて接着していきます。
剥がれてこないように念入りに全部の接着面に力をかけて圧着しておきます。
下側のレールも同様に貼り付けます。こちらは落ちてくることはないので仮止めも適当でよいです。
今回は2つのレールをつなげるので、つないだ部分で引き戸が引っかからないように、両面テープで2本のレールを一緒に仮止めして位置を合わせ接着しました。
ボードの窓ガラス側の保護フィルムを剥がしてから、引き戸レールにはめ込み、開閉や隙間に問題ないかを確認してから室内側のフィルムを剥がして出来がりです。
引き戸の上側レールを、曲がらないようにまっすぐに両面テープで天井に取り付けるところが一番難しかったです。曲がってしまうと引き戸の動作に支障が出かねません。
5、北面流し引き戸窓(✕2):
上下の引き戸レールを最初に窓枠に接着しておきます。
ガラス面側の保護フィルムを剥がしたボードをはめ込んで、引き戸のスライドの具合や隙間を確認します。
室内側の保護フィルムを剥がして出来上がりです。
窓の手前に給湯器や配管があってボードの取り回しがしにくかったものの、特に問題なくボードが収まりました。
ここの窓だけがプラダンの段を横方向に使っていて、見た目が細かいブラインドのように見えます。
その後外からの隙間風の影響か、外側のボードが大きく歪んで半分ほどレールから外れかけていました。この流しはボードの段を横方向に使ったので、上下の端にはアルミテープを貼っていなかったのですが、外れかけた部分でレールにボードの縁が食い込んでいるのを見て、レールに当たる部分の補強のためにアルミテープを貼ったほうが良さそうと感じました。そこで上下にもアルミテープを追加して設置し直しました。
効果・感想
素人仕事ですが、ポリカボードの表面がきれいなので結構見られる感じになりました。
肝心の断熱効果ですが、数値での比較はできませんが、感覚的には、室温の上下がマイルドになった感じがします。極端に寒くなったり暑くなったりする感じはなくなりました。試しに内窓だけを開けてみると、その窓からはガラス越しに冷気を感じられます。
一番気になるのは、ボードにたわみが出ることです。これはボードの表裏が内と外の温度差で伸び縮みするのが主な要因で、温度が変わるとたわみの量も向きも変化します。隣り合う2枚の引き戸のたわみ量が異なって、引き戸同士の間に大きな隙間ができたりしています。室内の暖房と外の低温の温度差が大きい時は、南面窓の縦1.6mの引き戸では、真ん中で3cmぐらい隙間ができることがあります。
ボードの縁につけたPVCのコの字ジョイナーぐらいでは、たわみを抑えられないようです。これが西面開き窓で使っているポリカーボネートのジョイナーだと、かなり頑丈なのでたわみも感じられません。
ボードの段の向きの方向に曲がりやすい気もしますが、横向きに使っていてもたわみが出ないわけではありません。
たわみを防ぐには、窓枠を曲がらないものにするのが一番の方法なので、何かいいものはないかと探しています。車のワイパーブレードに細い板バネが付いていますが、もしこれの長いものがあれば、ボードのフチに挟み込んで使うとしなり防止に効果的なのではと思います。それらしい板バネはちょっと市販品に見当たりませんでしたが。
次善の策として、たわみで大きく隙間が開くのを防ぐために、マグネットのテープで枠同士がくっつくようにしておけば、開け締めもできるしよいのではないかと思います。力もそれほど要りませんので、薄くて目立たないのをジョイナーに2~3箇所貼っておけば機能してくれると思います。
ボードの段の方向の縦横で、部屋の高さと広さのどちらが強調されるか、室内の印象が変わります。また、ボードの向こう側の見え方も大きく異なります。人の目は2つ横についているので、目の高さ付近では段が横になっている方が向こう側が見えやすいと感じます。
夜に外の明かりをこのポリカダン越しに見ると、車や建物の光がボード内部で反射して線上に広がって見えます。段を縦に使っている窓では、光が横に広がり、段が横だと光が縦になります。結構きれいに光ってくれて意外でした。
さらに、日中窓越しに太陽を見ると、その光も横に大きく線状に広がって見えることに気が付きました。この線は空いっぱいに大きな円を描いているような曲線状になり見ごたえがあります。
追加工
ボードのたわみで大きな隙間ができるのを減らすために、内窓同士、内窓と窓枠を磁力でくっつけて対策しました。
使ったのは、マグネットシートとその相手になる鉄の薄いシート(0.2mm)で、どちらも粘着剤付きです。窓の開け締め時に引っかからないように、なるべく薄めということで選びました。
内窓の枠が細く見た目上あまり幅広にはしたくないので、両方のシートを10mm幅の短冊状に長く切り出しました。鉄シートは硬いですが、厚みが無いのでカッターで何回も行き来すれば切れます。マグネットにしろ、鉄シートにしろ、ポリカーボネートよりは格段に硬いので、接触すればたやすく傷がつきますので、切断した切り口にできた尖った部分を、カッターナイフの後ろの丸い部分でつぶしておきます。
内窓の枠に貼る鉄シートは、枠の形に合わせて曲げます。
切り出した磁石テープ類を貼り付ける高さは、たわみ防止の効率からは縦の中央付近がいちばんいいと思いますが、窓の開け締めでつかむ場所から大きく離れると使いにくいだろうと考えて多少下寄りにしました。
実際に内窓に合わせてみると、枠同士ではなく片方は内側のポリカーボネートの表面に貼らないとテープの位置を合わせられないところもありました。そのような部分には、厚みがあって色が黒く目立ちにくいマグネットテープを見える側に使います。窓枠とボードの厚みの違いからくる段差を埋めて磁石がつきやすくなります。
一通り貼り付けて内窓を閉めると、それほど強くはないものの窓同士がくっついてお互いに支えになっている感じです。その一方で、マグネットを付けていない側の端は大きくたわんだままです。
そちらの窓の端にも残りの材料を切り出してマグネットテープを貼ることにしましたが、サッシの枠が出っ張っていないので、うまくつけられません。樹脂のL字アングルの残った材料で、窓の位置を固定できるような出っ張りを作って、そこにマグネットテープを付けることにしました。
今度はたわみがかなり抑えられました。力がかかれば容易に外れますが、定位置にある時は、窓を保持していてくれます。
その後の感想
継続して使ってみて感じるのは、急激な温度変化があまり感じられなくなったことでしょうか。晴れの日は全面西日の窓から入ってくる熱で、真冬でも温度が30度近くになったりはするのですが、他の窓を少し開けて冷たい空気を入れて温度調節したりすることが以前よりしやすくなりました。
さらに数ヶ月間使ってみて、今度は夏の暑い季節も越えましたが、作る前に比べると酷寒、酷暑を和らげる効果は確かに感じられ、室内の冷暖房の冷気や熱が室外に逃げにくくなって、室内で過ごすのが大分楽になりました。
エアコンそばの窓の、温度差によるたわみについては、磁石で対策してそれなりに効果はあったものの、完全には防げません。窓枠に硬い芯を内蔵させるなどして、窓自体をもっとたわみにくい構造にしないと限界があります。
温度以外でも、開け締めする窓の内窓については、強風の日などにはサッシの隙間から吹き込んだ風でたわみ、レールから外れてしまうことがありました。追加した磁石も風には全くかないません。
ポリカーボネート自体は、割れにくい反面、力を受けるとすぐにしなってしまうので、レールから外れやすくなります。補強用に何かいい材料があればと思っていますが、これといったものは見つかっていません。
とはいえ、ガラスとは違い非常に軽いので、外れたとしても窓枠上には乗っており実害はなく、レール枠に簡単にはめ直せますので、多少手間がかかるぐらいです。
引き戸にしている内窓の一つが開閉時にきつくなってきました。内窓自体がたわんでくれて開閉は可能なのですが、施工当時に比べて、明らかに受けのレール側の寸法が足りなくなっています。内窓の上辺を少し短くしたほうがよいのでしょうが、めんどくさいのでそのままです。
同様に、窓枠上部の樹脂製の枠部品同士が接触しているあたりで、端がサッシから浮いている場所が何箇所かありました。部品同士の隙間がない部分なので、暑いときに高温で膨張した部品同士が押し合って歪んでしまったものと思われます。部品の切断時に少し寸法の余裕が足りなかった結果ですね。
掃除の際に、アルミテープや両面テープなどの接着面が浮いてきたところがあちこちあるのに気が付きました。気づいたところは再度押し付けてくっつけておきます。
経年での劣化を一番感じるのは、このテープ類の粘着面です。剥がれがひどくなってきたら、一度テープを張り直すと良いと思います。サッシのアルミ面であれば、シール剥がし等も使えば跡も残らずきれいに剥がせるとと思います。
ポリカーボネートの表面が傷つかないように極力ボードの表面は触らないようにしていましたが、数ヶ月も経つとあちこちに水蒸気の曇りのような汚れ(?)が見られるようになりました。
自宅で作った雨戸に付いた屋外の汚れも、水をたっぷり含ませた洗車ブラシで軽く拭ったら出来立てのようにきれいになりましたので、軽く表面を拭く程度でこちらもきれいになると思います。